シソ斑点病の伝染源と防除対策

タイトル シソ斑点病の伝染源と防除対策
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者
発行年度 1999
要約 シソ斑点病の最も重要な第一次伝染源は土壌に混入した被害残渣であり、二次伝染源は主として罹病落葉上に形成される分生子である。土壌全面マルチは土壌表面からの分生子の飛散を妨げ、発病抑制効果がある。
背景・ねらい 近年、愛知県の重要な地域特産作物であるアオジソに、Corynespora cassiicolaによる斑点病が多発し、生産阻害要因として大きな問題となっている。生産施設では連作が行われ、同一施設内に作期の異なるシソが周年栽培されている場合が多い。前作の残渣のすき込みと摘み落とし葉の放置が本病多発の要因の一つと考えられるので、これらの伝染源としての重要性を明らかにするとともに、土壌表面からの分生子飛散防止対策として土壌全面マルチの効果を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 前作の罹病落葉をそのまますき込んだ土壌に、前作終了後26日経過してからシソを植え付けた場合には自然発病が認められた。一方、殺菌土壌を用いて、前作で発病が多く認められたビニル被覆の小型フレーム内で栽培しても発病はしなかった(表1)。
  2. 罹病葉を土壌表面に放置すると、分生子の飛散が長期間観察され、発病が多くなった。これに対し、噴霧接種により発病した植物体上の罹病葉からは、落葉が始まるまで分生子の飛散は確認できず、新たな発病は見られなかった(表2)。
  3. 開花中に病原菌を接種した種子の内部からはごく低率ながら病原菌が分離された(データ省略)。
  4. 土壌表面を全面マルチすることにより、土壌表面からの分生子の飛散が少なくなり、発病抑制効果が高かった(表3、表4)。
  5. 以上の結果から、シソ斑点病の第一次伝染源としては土壌に混入した前作の罹病残渣が重要で、土壌全面マルチは土壌表面からの分生子の飛散を妨げ、発病抑制効果が認められた。摘み落とされたり自然に落葉した罹病葉は、病気のまん延につながる第二次伝染源として重要と考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 防除効果を高めるには、伝染源となる罹病残渣、罹病落葉の適切な処分が重要と考えられる。
  2. 種子伝染は低率でも問題となることがあるので、種子消毒法について検討する必要がある。また、本成果は、施設資材等に付着した菌による伝染を否定するものではない。
図表1 216146-1.gif
図表2 216146-2.gif
図表3 216146-3.gif
図表4 216146-4.gif
カテゴリ 病害虫 しそ 種子消毒 防除

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