| タイトル |
殺菌剤散布回数を半減した「幸水」、「豊水」の病害防除体系 |
| 担当機関 |
千葉県農業試験場 |
| 研究期間 |
2000~2002 |
| 研究担当者 |
|
| 発行年度 |
2000 |
| 要約 |
ニホンナシの主要病害である黒星病の減殺菌剤防除体系を基本とし、輪紋病など他病害の防除適期には黒星病にも効果のある薬剤を選択し、さらに、落葉の除去、鱗片発病芽の切除等による耕種的防除と殺菌剤の残効期間終了後の降雨直前散布により、慣行に比べ殺菌剤散布回数を半減した防除体系を確立できる。
|
| 背景・ねらい |
近年、環境に調和した持続可能な農業生産の必要性が求められ、ナシを含む果樹のような永年作物においても、病害虫防除のための農薬の使用を可能な限り少なくし、かつ収量・品質を低下させない防除技術の確立が求められている。そこで、平成5年から場内圃場試験で8年間技術確立試験を行うとともに、平成10年から3年間一般ナシ園で実証試験を行った。
|
| 成果の内容・特徴 |
- 葉の黒星病の防除:主要品種の「幸水」、「豊水」は場内試験ではいずれの減殺菌剤試験年とも数%の少発生であったが、一般ナシ園では年度及びナシ園の違いを問わず1%~無に防除できる(図1)。
- 果実の黒星病の防除:感受性が特に高い品種「幸水」は場内試験では平成9年に多発した(21%)以外は、5%以下の発病果率であり、豊水の発病果率は0%であった。一般ナシ園の試験では、「幸水」及び「豊水」ともいずれの年も1%~無に抑え、試験区と慣行区の違いはない(図1)。
- 果実の輪紋病の調査:25℃で約7日間貯蔵してから調査した結果、平成9年の場内試験で「豊水」に多発した(15%)以外は、「幸水」及び「豊水」とも多くても5%程度の発病であった。一般ナシ園の試験では、平成10年のS園慣行区の「豊水」で多発(9%)したが、S園減殺菌剤区及び他園では試験年度及び園の違いを問わず5%内外の発生で慣行区との違いはない(図1)。一般ナシ園の試験区のナシを販売したが輪紋病によるクレームは無い。
- 試験開始年である平成5年の県なし病害虫防除暦の春から収穫前までの殺菌剤散布15回を基準にすると、場内試験では6~7回(5~6割減)、一般ナシ園では7~8回(5割減)の散布で実用的防除が可能である(表1)。
- 試験成果に基づいて減殺菌剤防除暦を提示する(表2)。
|
| 成果の活用面・留意点 |
- 殺菌剤の散布回数を半減できる。
- 耕種的防除は必ず実施すること。
- 地域及びその年の天候に応じて、散布回数を増減する必要がある。また、疫病のように突発的に発生する病害の防除では、臨機散布が必要である。
- 耐性菌の発生する可能性のあるステロール生合成阻害剤やストロビルリン系薬剤は作用機作の異なる薬剤と混用するとともに年間の使用回数を制限する。
- この技術の導入に当たっては、病害防除の専門家との密接な連携体制を取ることが望ましい。
|
| 図表1 |
 |
| 図表2 |
 |
| 図表3 |
 |
| カテゴリ |
病害虫
黒星病
耐性菌
農薬
病害虫防除
品種
防除
薬剤
|