高泌乳牛における製造副産物を利用した低コスト生産技術

タイトル 高泌乳牛における製造副産物を利用した低コスト生産技術
担当機関 愛知農総試
研究期間 1996~1999
研究担当者 関誠(新潟農総研)
古賀照章(長野畜試)
佐藤精(愛知農総試)
斎藤公一(千葉畜セ)
室井章一(栃木酪試)
松原英二(群馬畜試)
清水景子(山梨酪試)
内田哲二(東京畜試)
発行年度 2001
要約 食品製造副産物を高泌乳牛にTMRとして給与する場合、粗脂肪、NDF、NFCなどの飼料成分に留意して、飼料設計を組み立てることにより、乳生産を損なわずに低コスト生産が可能である。
キーワード 高泌乳牛、食品製造副産物、乳生産
背景・ねらい 乳牛においては、生乳生産の効率化を図るため、従来から輸入穀類を中心にした濃厚飼料が利用されてきた。しかし、低コスト生産の追求や資源循環型農業の構築等の観点から未利用資源の利用が叫ばれている。そこで食品製造副産物(以下BP)の効果的利用について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 8都県の公立試験場で繋養される2産以上の泌乳牛延べ111頭(各区21~24頭)を用いて、 製造副産物を混合したA~EのTMRを分娩後15週まで給与し、乳生産を調査した。
    試験区A:BPとして豆腐粕、ビール粕、米ヌカを中心に利用、その代わりに濃厚飼料 (圧片トウモロコシ、大豆粕等)を減らす。
    試験区B:A区の対照区として、BPは多給せず、濃厚飼料割合を高める。
    試験区C:AおよびB区の試験結果を踏まえて、BPを多給しながら、NFC(非繊維性炭水化物)含量を高めると共に粗脂肪含量を低減。
    試験区D:BPとして豆腐粕、ビール粕、コーングルテンフィードを用い、NFCの給源として、粉砕トウモロコシを利用。
    試験区E:穀類、粗飼料をBPで代替し、これまでで最もBPを多給。また試験区D同様粉砕トウモロコシを利用。
  2. 以上の試験から、泌乳前期にBPをTMR給与する場合の推奨値(乾物中)は以下のとおりである。

    1. A区のように粗脂肪含量が高く、NFCが不足すると乳生産が劣るが、C区のようにBPによってNFC含量を高めることで、乳生産を高めることができる(表1、2、3)。
    2. BP多給時にDおよびE区のように、粗脂肪含量を5%以下に抑えながら、飼料全体のNDF(中性デタージェント繊維)含量が40%を越えても、eNDF(有効ND F)を25%程度、NFC含量を30%程度確保することで、高位乳生産が可能である (表1、2)。
    3. 試験DおよびE区のように粉砕トウモロコシを利用しても乳生産に影響がなく、生乳生産コスト低減に有効である(表3)。
    4. 乳飼比をB区とC区で比較した場合、最大20%程度のコストが低減できた(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 高泌乳牛においてBPを利用する場合の飼料設計に活用できる。
  2. 生粕の利用にあたっては、製品の成分変動、貯蔵保管には注意を払う。
  3. 飼料の栄養成分や消化特性が偏らないように、それぞれのBPの混合割合は15%以内にとどめる。BPを多給する場合は、TDN含量は75%以上、CP含量は17%前後、粗脂 肪含量は 6%以下にするとともに、eNDFを25%程度確保する(表1)。

図表1 216460-1.gif
図表2 216460-2.gif
図表3 216460-3.gif
カテゴリ コスト 飼料設計 大豆粕 低コスト とうもろこし 乳牛 未利用資源

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