簡易播種技術を用いた冬作飼料作物の省力生産

タイトル 簡易播種技術を用いた冬作飼料作物の省力生産
担当機関 千葉畜総研
研究期間 1998~2000
研究担当者 細谷  肇
福田征二
堀田正樹 
発行年度 2001
要約 夏作長大作物の収穫後飼料畑に、表面播種攪拌法もしくは無鎮圧法による簡易播種技術を導入することにより、生産性の大きな低下なく冬作物を省力的に栽培できる。水田裏作では、表面播種攪拌法によりイタリアンライグラスあるいは秋作エンバクを安定的に生産できる。
キーワード イタリアンライグラス、エンバク、ライムギ、簡易播種、年2作栽培
背景・ねらい トウモロコシやソルガムを基幹とする栽培では、土地有効利用と自給率向上のために裏作としてイタリアンライグラス、エンバク、ライムギなど冬作物の極早生品種を栽培し、年2作体系を確立することが望ましい。しかし、1年生作物の輪作では播種と収穫の2大作業ピークが連続作業となり、負担が大きいことが問題となる。
そこで、夏作収穫後あるいは水田裏作の播種作業を簡易化するため、不耕起状態の夏作跡地に種子を散播したのち3cm深の浅耕起をする表面播種攪拌法と、夏作跡地を普通に耕起したあと種子を散播するのみの無鎮圧法について、適用の可能性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 出芽数は、種子が覆土される表面播種攪拌法のほうが多くて安定しており、無鎮圧法は劣る。しかし、無鎮圧法はその後の分げつにより茎数が確保される(表1)。
  2. 長大作物の収穫跡地では、耕起-播種-鎮圧を行う慣行法に比べていずれの草種も乾物収量の減少幅が小さく(図1)、倒伏や病害の発生も差がないため、簡易播種2方法を適用できる。
  3. 秋作となる9月播種エンバクの場合は、無鎮圧法では出芽数が劣り、分げつもやや少なく収量が比較的低いため、表面播種攪拌法のみ適用する(図1、図2)。
  4. 水田裏作では、イネ刈り直後の9月中に播種したイタリアンライグラスおよびエンバクの生育と収量が、比較的安定している。播種法は、出芽が良好である表面播種攪拌法に限って適用する(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 裏作の省力栽培に活用し、飼料増産と土地有効利用を図る。
  2. 表面播種攪拌法は、雑草発生が少ない間に適用する。雑草が多発したり、ソルガム属など夏作物の再生が旺盛な場合は、耕起が必要であるため無鎮圧法を適用する。
  3. 土壌の砕土率が劣る場合は、簡易播種法を用いない。無鎮圧法では播種作業時の轍(わだち)が残るので、収穫時に土砂が混入しないよう、刈り高に注意する。
  4. 水田裏作の10月播種では、降雨により種子が浸漬する機会が増し、出芽不良で低収となる危険がある(図2)。
図表1 216474-1.gif
図表2 216474-2.gif
図表3 216474-3.gif
カテゴリ 病害虫 イタリアンライグラス 雑草 出芽不良 飼料作物 水田 ソルガム とうもろこし 播種 品種 ライ麦 輪作

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