園芸用スプリンクラーを利用した牛舎の暑熱対策

タイトル 園芸用スプリンクラーを利用した牛舎の暑熱対策
担当機関 埼玉農総研
研究期間 1998~2001
研究担当者 島崎 香
富田道則
発行年度 2001
要約 園芸用スプリンクラーを利用した簡易散水装置を牛舎内に設置し、既存の送風機を併用した暑熱対策を実施したところ、乳牛の体温が約1℃低下し、乳量の減少を防ぐことができた。散水により牛舎内温度は約1.7℃低下した。
キーワード 乳用牛、飼養管理、暑熱対策、スプリンクラー
背景・ねらい 夏季の暑熱ストレスによる乳量や乳成分の低下を防ぐために、これまでにも多くの暑熱対策が実施されている。送風機による暑熱対策が県内で最も普及していたが、近年の異常な酷暑には、十分な効果が得られてない。そこで、園芸用スプリンクラーを利用した簡易散水装置を牛舎内に設置し、既存の送風機を併用した、新しい暑熱対策について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 設置方法
    牛舎内のミルクパイプラインに沿うように、塩ビ管を配管し、そこから1頭ずつ70cm枝分かれさせ、その先端にスプリンクラーを1個/頭で合計15個設置した。スプリンクラー設置の位置は、飼料が濡れず、牛のき甲~背~腰に散水できるようにした。
  2. 散水装置の特徴
    一般水道圧のみ(圧縮ポンプ不要)で散水可能で、費用も1頭当たり約5千円程度であり、安価で簡単な装置である。スプリンクラー散水量が毎分400ml/個と少量であり、細霧より水の粒子が大きいため送風による飛散もない。散水には送風(風速2m/sec以上)を必ず併用する。
  3. 実証試験
    ホルスタイン4頭を試験区、対照区に分けて反転法を実施した。試験区は1回当たり10分間で、10:15、13:15、14:15、15:15の計4回/日散水した。11:00~13:00と夜間は運動場に放牧し、それ以外は舎飼いで試験区、対照区とも大型送風機で連続送風(牛の位置で風速2m/sec)した。牛床はゴムマットで敷料は使用していない。
  4. 試験結果
    平均日乳量は(表1)に示すとおり、有意な差が認められた(P<0.05)。
    最も暑い13:00計測の体温を基準値0に設定した時、試験区の体温は対照区に比べ、約1℃低下していた(図1)。日中の散水で舎内温度は約1.7℃低下した(図2)。
    舎内の湿度は散水前(平均66.9%)、散水中(平均66.5%)、散水30分後(平均64.9%)で、ほとんど変化が認められなかった(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 敷料の吸水による細菌増殖の防止には、散水時間を短縮し、回数を増やす。
  2. 舎内の気温28℃以上になったら散水し、湿度75%以上になったら中止すべき。

図表1 216490-1.gif
図表2 216490-2.gif
図表3 216490-3.gif
図表4 216490-4.gif
カテゴリ 飼育技術 乳牛

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