水稲の湛水直播栽培における酸化鉄粉の種子被覆資材としての利用

タイトル 水稲の湛水直播栽培における酸化鉄粉の種子被覆資材としての利用
担当機関 三重科技農研
研究期間 1998~2001
研究担当者 神田幸英(農業研究部)
中山幸則(伊賀農業研究室)
北野順一
発行年度 2001
要約 酸化鉄粉はCMCを3%混合することで過酸化石灰剤と同手法で種子被覆でき、安価な種子被覆資材として無人ヘリ等で5月上旬以降に播種する水稲の湛水散播栽培に利用できる。播種は被覆種子の含水率が15%程度に低下するまで2、3日陰干ししてから行い、常温網袋保存で1週間程度は出芽性が維持できる。
キーワード 酸化鉄粉、水稲、湛水散播栽培、種子被覆、出芽・苗立ち
背景・ねらい 無人ヘリ等による水稲湛水散播栽培で、出芽・苗立ちに好適な気温条件で播種し播種後落水管理を行う場合には、酸素発生資材を被覆する必要性は小さい。そこで、過酸化石灰剤(商品名:カルパー粉粒剤16)より安価な種子被覆資材として、酸化鉄粉(鋳鉄切り粉の焼成粉末)の利用技術を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 酸化鉄粉に糊剤としてCMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)を3%混合すると、過酸化石灰剤と同様の方法で種子被覆できる(図1)。
  2. 酸化鉄粉被覆種子は黒褐色で表面凹凸が多い。水中での崩壊は緩やかで、吸水し膨張するが剥離せず、過酸化石灰剤被覆種子より形状が長く維持される。被覆直後は含水率が高く柔らかいが、乾燥後は無人ヘリ等で播種可能な強度となる(図1)。
  3. 酸化鉄粉被覆種子の出芽性は、播種深度10mm以上では過酸化石灰剤被覆種子に劣るが、播種深度5mmでは出芽速度は遅いが同等の出芽率、苗立率が得られる(表2)。
  4. 播種後10日間の平均気温が摂氏17.5度以上(伊勢平坦地域:5月第2半旬以降、伊賀地域:5月第3半旬以降)であれば、過酸化石灰被覆種子と同等の出芽率、苗立率が得られる(表2)。
  5. 酸化鉄粉被覆種子は2~3日陰干しを行い、含水率15%程度に乾燥させてから播種することで出芽・苗立ちが安定し、常温網袋貯蔵でも1週間程度は保存できる(図2)。また、乾燥後に低温密封貯蔵すると高い出芽性が維持できる。
  6. 酸化鉄粉被覆種子は表層散播でも籾の露出、根上がり、浮き苗の発生が少なく、5月上旬以降に無人ヘリ等で播種し、播種後は落水管理を行うと安定した出芽・苗立ちが確保でき、生育・収量は過酸化石灰剤被覆種子と同等である(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 苗立ちを安定させるため、播種後は出芽始期まで落水管理する。
  2. 酸化鉄粉を用いることで被覆資材費は約40%に低減できる。
  3. 低温時や強還元土壌等の不良環境下における出芽促進効果は期待できない。
[具体的デ-タ]
図表1 216581-1.jpg
図表2 216581-2.gif
図表3 216581-3.gif
図表4 216581-4.gif
カテゴリ 乾燥 直播栽培 水稲 播種 水管理

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