タイトル | サラダナで発生したレタス根腐病菌のレースおよびVCG分類 |
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担当機関 | 関東野菜研究グループ(野菜茶研 |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 |
佐藤衛 山内智史 島津樹一 白川隆 堀内誠三 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 北海道のサラダナに発生したレタス根腐病菌はレース1、静岡県、福岡県から収集した菌株はレース3に分類される。また、レース3の菌株は、レース1や2とは異なる複数のVCGを形成する。 |
キーワード | レタス根腐病、サラダナ、レース、Fusarium oxysporum f. sp. lactucae、VCG |
背景・ねらい | 長野県ではクリスプヘッドレタスに根腐病菌レース1と2が発生している。また、菌株間の遺伝的な違いを反映していると考えられるvegetative compatibility group(VCG、対峙培養でヘテロカリオンを形成する菌株どうしを同じ菌糸和合性群とする)について、レース1と2はそれぞれ単一のグループを形成する。一方、福岡県、静岡県、北海道のサラダナ(バターヘッドレタス)に発生した根腐病菌のレースおよびVCGについては未解明である。そこで、これらの地域から収集した菌株のレースおよびVCGについて明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. レース判別品種の‘晩抽レッドファイヤー’、‘コスタリカ4号’、‘パトリオット’に対する病原性から、レースとこれまで使われてきた病原性グループとの対応関係が確認できる(表1)。 2. 北海道のサラダナに発生した根腐病菌はレース1に分類される(表1、2)。また、北海道分離菌株は、レース1の基準菌株であるSB1-1と同じVCGに包含される(表3)。 3. 静岡県、福岡県のサラダナに発生した根腐病菌は、すべてのレース判別品種に罹病性の反応を示すことから、レース3と考えられる(表1、2)。また、これらの地域から収集した菌株は、レース1と2の基準菌株であるSB1-1とF9501とは異なる複数のVCGを形成する(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 各サラダナ産地で発生したレタス根腐病菌のレースが明らかとなり、品種育成、導入に活用できる。 2. レタス根腐病菌の各レースは異なるVCGを形成することから、VCG解析による簡易的なレース判定技術への応用が期待される。 3. 病原性グループ1、2、3はそれぞれレース2、3、1に対応することが明らかなため、今後は病原性の異なる系統に対する呼称をレースに統一する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | くり 根腐病 品種 レタス |