トウガンの貯蔵における低温限界温度

タイトル トウガンの貯蔵における低温限界温度
担当機関 神奈川農総研
研究期間 2000~2001
研究担当者 曽我綾香
渡邊清二
吉田誠
発行年度 2002
要約 トウガンの貯蔵下限温度は12℃であった。12℃より低い温度で貯蔵すると、果皮の褐斑等の外観品質の低下や、糖分の著しい低下が見られた。
キーワード トウガン、品質保持
背景・ねらい トウガンは、夏期に収穫された後、冬期まで出荷が可能であるといわれているが、温度制御のできない倉庫等で保管する場合、秋期以降の気温の低下に伴い貯蔵性が落ちるとの知見がある。本県では横須賀・三浦地域で主に生産されており、出荷期間延長のための保存方法についての検討が要望されていた。そこで、本研究では、トウガン(台湾種:三浦市農協採種、果重は1~3kg)の貯蔵温度を5~20℃及び、外気温に影響される温度制御のない状態を設定し、貯蔵中の経過観察、品質の分析を行い、トウガンの品質保持方法を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
トウガンの低温障害は、最初に果皮に褐色の斑点が見られ、そこから腐敗が始まり、それが次第に広がるといった症状が見られる(図1)。腐敗は内部にも及び、最終的には果実が崩壊する。
2.
トウガンの内容成分は、水分が約97%を占め、他に有機酸、糖、ビタミンC等が含まれる。貯蔵中に、ビタミンCは経時的に減少するが、有機酸、糖の減少は微かである(図2)。
3.
貯蔵試験中の内容成分含量の変化は、正常果においては、貯蔵温度とは無関係に同一の傾向であるが、低温障害の発生した果実では、正常果に比べて糖の減少が著しい(図2)。
4.
上記のような低温障害の症状は、試験期間中、12℃未満で貯蔵した果実に見られた(図3)。倉庫での貯蔵の場合は、平均気温が10℃を下回ると低温障害の症状が見られた。
成果の活用面・留意点 1.
トウガンの貯蔵においては、12℃未満で低温障害が発生する可能性がある。したがって、貯蔵場所の温度が12℃を下回らないような、低温からの保護が必要である。
2.
試験に用いたトウガンは通称小トウガンと呼ばれる1~3kgのものである。通常トウガンと呼ばれる大型のトウガンの低温限界温度に対しては本試験を参考とし、別途試験が必要である。
図表1 217019-1.gif
図表2 217019-2.gif
図表3 217019-3.gif
カテゴリ 出荷調整 とうがん 品質保持

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる