タイトル | 体内胚の生産が困難な供胚牛への経膣採卵の適用 |
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担当機関 | 群馬畜試 |
研究期間 | 1999~2003 |
研究担当者 |
小渕裕子 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 老齢のため繁殖および体内受精胚の生産が困難になった高能力ホルスタイン種牛2頭に経腟採卵を適用したところ、培養可能な卵子が得られ体外受精・培養によって移植可能胚が生産された。移植によって各供試牛由来の体外受精胚の受胎を確認できた。 |
キーワード | 経腟採卵、体外受精、体外受精胚、ホルスタイン種牛 |
背景・ねらい | 酪農場には高能力資質を有しながら、老齢のため受胎・分娩による娘牛生産および過剰排卵誘起処理による胚生産が困難なホルスタイン種牛が飼養されている。これらの牛の優良遺伝資質を有効活用する方法として経腟採卵・体外受精が考えられ、本法に2頭の老齢ホルスタイン種牛を供試し、胚の生産性について調べた。 |
成果の内容・特徴 | 1. 供試牛には、米国から輸入し供胚牛として活用した11才(A牛)および14才(B牛)のホルスタイン種牛を用いた。A牛およびB牛の体内胚生産期間と生産胚数は、それぞれ6年間(平成7~12年)、86個および5年間(平成6~10年)、79個であった。 2. 経腟採卵には採卵針(ミサワ医科工業)を取り付けたプローブ(コンベックス型、7.5MHz)および超音波画像診断装置(スーパーアイSSD-900:FHK)を用いた。採取した卵子の体外培養および媒精にはエンブリオパック(機能性ペプチド研究所)を使用した。 3. A牛およびB牛への経腟採卵回数は、それぞれ5回、17回で、採取卵子数はそれぞれ28個(平均5.6個)、218個(平均12.8個)であった。 4. 9種類の凍結精液およびDランク以上の卵子を用いた体外受精における分割率、発生率は、A牛が68.0%、36.0%、B牛が72.4%、28.1%であった。 5. 移植によって各供試牛由来の体外受精胚の受胎を確認できた。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 優良遺伝資質を有するが、老齢のため繁殖が困難な牛に活用できる。 2. ホルモン処置を行わないため、短期間に効率的な胚生産ができる。 3. 適正なボデーコンディションの維持に努める必要がある。 |
図表1 | ![]() |
カテゴリ | 機能性 乳牛 繁殖性改善 |