タイトル | 収量、収穫ロス、予乾速度及びロールベール調整時の含水率からみたライムギの適正播種量 |
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担当機関 | 長野県畜産試験場 |
研究期間 | 1998~2000 |
研究担当者 |
水流正裕 春日重光 渡辺晴彦 百瀬義男 |
発行年度 | 2002 |
要約 | ソルガム-ライムギ周年ロールベール体系において、ライムギを散播栽培する時の播種量は、収量、倒伏に伴う収穫ロス、収穫後の予乾速度、ロールベール調製時の含水率等を踏まえると、10aあたり4~6kgが適正である。 |
キーワード | ライムギ、播種量、倒伏、収穫ロス、予乾速度 |
背景・ねらい | 自給飼料の増産を図るためには、冬作を積極的に導入した作付け体系をとることが重要である。一般に、冬作飼料作物は気象的制約が大きく、夏作作業との競合、倒伏による機械収穫ロスの発生しやすい等の問題もあるが、ライムギは耐寒性・耐雪性に優れ、作期幅が広く、またロールベール体系への適応も可能であることから、ロールベール用ソルガム類との組み合わせによって作業、調製機械の効率的利用が可能である。そこで、ライムギを散播栽培した場合の適正播種量を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. ライムギの生育は播種量が多くなると草丈が短くなり、稈径は細くなる。茎数は、播種量4~8kg/10aで差は見られない。乾物率にも差が認められない(表1)。 2. 乾物収量は、坪刈り収量では2kg/10aに比較して4~8kg/10aが高いが、収穫ロスは、2kg/10aが少なく、収穫ロスを考慮した乾物収量では、播種量に関係なく一定である(表1)。 3. 収穫時の予乾による乾燥速度は播種量8kg/10aが遅い傾向である(図1)。 4. ロールベールにした時の水分含量は播種量が多いほど高く、詰め込み密度は、現物では播種量が多いほど高くなるが、乾物では同程度である(表2)。 5. 播種量2kg/10aはpHが高く、乳酸および酢酸量が少ない。フリーク評点は播種量4~6kg/10aが高い傾向である(表2)。 6. 収量、倒伏に伴う収穫ロス、収穫後の予乾速度、ロールベール調製時の含水率等を踏まえて総合的に判断するとライムギの散播栽培における播種量は4~6kg/10aが適正である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 夏作物としてソルガム「葉月」を密植・散播栽培することにより、ロールベールラッピングシステムの周年利用が可能となる。「葉月」-「ライムギ」体系により年間2.6t/10aの乾物収量が得られる。 2. 本州中部地域を対象地域とした成果であるので、気象条件が異なる地域への適応には留意すること。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 乾燥 飼料作物 ソルガム 耐寒性 播種 ライ麦 |