タイトル | 自動追従運搬車を利用したキャベツの選択収穫・省力搬出技術 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
建石邦夫 行本修 重田一人 齋藤秀文 黎文 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 簡易な機構によって無人追従走行が可能な自動追従運搬車を開発し、選択式キャベツ収穫機との協調作業に供試した場合、全長100mの圃場では収穫調製・運搬作業は慣行作業に比べて約20%の省力化が可能である。 |
キーワード | キャベツ、重量野菜、収穫調製、運搬、自動追従 |
背景・ねらい | 一斉収穫に適さない春キャベツ等の収穫調製・運搬は、人力中心の作業が行われており、労働生産性が低いため、機械化が求められている。本成果は、選択式収穫機に自動追走が可能で箱詰めキャベツを圃場外へ搬出できる自律追従運搬車(RAC)を開発し、圃場全長100m程度の比較的大きい圃場で収穫調製・運搬作業の省力化をねらったものである。 |
成果の内容・特徴 | 1. クローラ作業台車をベースに試作したRAC(表1)は、考案した簡易な自動追従機構(図1)により、収穫機との相対位置を維持するようにRACの加減速や旋回が制御され、収穫機の後方もしくは側方を無人でキャベツを損傷することなく追従走行できる。 2. 既に実用化した半自動収穫機(農研センター、1995)のコンセプトをもとに、RACと同一のベース車両を利用して軽量化・簡素化した試作選択式収穫機(表1)は、低コスト化が期待でき、かつ軽トラックによる圃場間移動が可能である。 3. 収穫作業は、収穫機の前方で切断・粗調製・収穫機の操作を行う収穫作業者(着座作業も可能)と、収穫機上で調製・箱詰め・箱移動を行う調製作業者で行う。さらにRACを自動追従させることで積載量が増加し、その荷台が一杯になった時点(最大積載箱数:10kgダンボール50箱以上)でRACを切り離し、調製作業者が取り付け道路へ搬出に向かい、RACが戻るまで収穫作業者は単独で慣行作業に準じた収穫・調製・箱詰めを行う(作業体系A、図2)。 4. 作業体系A、及び慣行体系(作業体系B)で収穫試験を行った結果(表2)、キャベツ一球あたりの収穫調製時間に大きな変化は見られなかったが、圃場の長さが100mの場合、作業体系Aは、作業体系Bに比べて約20%の省力効果がある。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 春キャベツ等の選択収穫を要する重量野菜一般に適用可能である。 2. 慣行作業に比べて労働負担の軽減が見込まれるが、今後データを積み重ねる必要がある。 3. 自動追従走行時は旋回半径が大きくなるので、枕地に余裕のない場合は能率向上のため回行時に一旦収穫機とRACを切り離す方がよい。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 機械化 キャベツ 収穫機 重量野菜 省力化 低コスト |