タイトル | クライオトップ法(MV法)を用いた牛胚のガラス化保存 |
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担当機関 | 静岡県畜産試験場 |
研究期間 | 1998~2003 |
研究担当者 |
佐野文彦 三宅晃次 土屋聖子 野田準一 齋藤美英 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 牛胚(特に性判別胚)を長期間保存する場合、クライオトップ法を用いることで高い受胎率が期待できる。 |
キーワード | 牛、胚、性判別、ガラス化保存、クライオトップ |
背景・ねらい | 牛胚(特に性判別胚)を長期間確実に保存するため、超急速ガラス化保存法の一つであるクライオトップ法の有効性を評価する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 胚をVSED法及びクライオトップ法でガラス化保存し、加温後、耐凍剤を一段階除去した後、培養試験を行ったところ、表1に示すように72時間後の生存率でクライオトップ法が有意に優れていた。 2. 外受精胚をVSED法及びクライオトップ法でガラス化保存し、加温後、耐凍剤を一段階除去した後、培養試験を行ったところ、表2に示すようにクライオトップ法の生存率が有意に優れていた。 3. 4種類のガラス化法で保存した性判別胚を用いて、多段階希釈法による耐凍剤の除去を行い、移植試験を行ったところ、表3に示すようにクライオトップ法の受胎率が最も高い傾向にあった。 4. クライオトップ法でガラス化保存した性判別胚を用いて、図1のような野外一段階希釈法による耐凍剤除去を行い、移植試験を行ったところ、表3に示すように多段階希釈法に比べて有意に受胎率が低かった。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ライオトップ法は牛胚のガラス化保存法として優れており、特に長期保存後の受胎率の低かった体外受精胚及び性判別胚に応用することで高い受胎率が期待できる。 2. 外一段階除去法では高い受胎率が得られていないため、移植前処理は実験室内で行う必要がある。 3. 特殊な器具を用いるため、コストがかかる。 4. 先端部に液体窒素中で保護カバーを装着する必要があり、効率的に作業を行うためには十分な照明とトレーニングが必要である。 5. 加温時に胚がシート部より剥離しにくい場合がある。 |
図表1 | |
カテゴリ | コスト |