体細胞クローン金華豚の発育と繁殖性

タイトル 体細胞クローン金華豚の発育と繁殖性
担当機関 静岡県中小畜試
研究期間 2002~2004
研究担当者 河原崎達雄
柴田昌利
大竹正剛
土屋聖子
発行年度 2003
要約 顕微注入法により作成した体細胞クローン金華豚は一般豚と変わらない。生時体重及び発育は一般の金華豚と差がなく、初回発情日齢、分娩頭数等の繁殖性も一般の金華豚と同様である。
キーワード 豚、体細胞クローン、金華豚、発育、繁殖性
背景・ねらい 凍結受精卵による保存技術が確立されていないブタの遺伝資源の保存法について、クローン技術を活用し、体細胞で保存することの有用性について検討するため、体細胞クローン金華豚の発育、繁殖性を当場の通常繁殖の金華豚と比較する。
成果の内容・特徴 1.
体細胞クローン金華豚(クローンブタ)7頭の生時体重は、0.5~1.1kg(平均0.91kg)で一般の金華豚(対照豚)の平均0.87kgと差は無く、ウシ等で報告されている過大子は見られない(表1)。
2.
クローンブタの体重は3~5週目に対照豚に比べ有意に高値になったが、その後有意差はなくなり(図1)、25週まで対照豚とほぼ同様の値で推移する。
3.
クローンブタの初回発情日齢を発情時の不動反応を指標に調査した結果、1頭を除き、97~125日齢で、既報(郎ら1984)の88~124日齢とほぼ一致しており、金華豚の特性である早熟性が確認される。
4.
クローンブタに一般の金華豚の精液を用い人工授精をすると、すべて1回の発情(2~4回の人工授精)で受胎する。
5.
クローン豚の分娩成績では、産子数、生存頭数、離乳頭数、育成率には有意差は認められず、妊娠期間、産子の平均体重が生時、3週時ともに有意に低値である(表2)。ただし、有意差を示す項目の値も個別に見れば対照豚の範囲内のものであり、明らかな異常値はない。
成果の活用面・留意点 1.
クローンブタは発育などにおいて対照豚との間に顕著な差は認められず、体細胞クローン技術を利用した遺伝資源の保存に適用可能と思われる。
2.
今後、後世代の産肉能力や肉質調査、食肉としての安全性などを調査することが必要である。体細胞核移植技術の成功率はまだ低く、クローンブタは種豚もしくは原種豚としての活用が適当と思われる。また、ブタ体細胞核移植技術を野外で活用するには、その特性を十分に調査した上で、一般の理解を得ることが必要である。
3.
クローン胚作成時に使用した卵子は、大ヨークシャー種、デュロック種及びそれらとランドレース種との交雑種のものを用いたが、クローンブタとなったものの種類は不明である。
図表1 217267-1.gif
図表2 217267-2.gif
図表3 217267-3.gif
カテゴリ 遺伝資源 繁殖性改善

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