タイトル | 機能性肥料を用いたかぶせ茶少肥栽培体系 |
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担当機関 | 三重科技セ |
研究期間 | 1999~2003 |
研究担当者 |
磯部宏治 喜多嶋秀之 出岡裕哉 松ヶ谷祐二 中西幸峰 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 機能性肥料を用いた施肥窒素量35kg/10aのかぶせ茶栽培において、減肥開始後5年間での荒茶売上額は65kg/10aの慣行栽培と同等である。さらに、肥料費や労働時間を軽減できるため農家所得への影響は少ない。 |
キーワード | チャ、かぶせ茶、少肥、機能性肥料 |
背景・ねらい | 環境負荷軽減を目的とした機能性肥料を用いた施肥窒素合計量35kg/10aでのかぶせ茶栽培を実施し、収量・品質や施肥作業等について評価を行う。 |
成果の内容・特徴 | 1. 従来100kg/10a前後の施肥窒素量であった表層腐植質黒ボク土の現地茶園(品種:やぶきた)において、5年前から減肥処理を開始した。 2. 少肥区は被覆尿素配合肥料(被覆尿素70日タイプ・配合窒素比率40%)3回及び硝化抑制剤入り肥料1回を施用する年4回施肥で施肥窒素合計量35kg/10a(内、被覆尿素11kg、硝抑7kg)、慣行区は有機配合肥料・菜種粕・化成などを主体とする年7回施肥で平均施肥窒素合計量は県施肥基準の65kg/10aである。また、施肥は両区とも畝間部への施肥である(表1)。 3. 年間施肥窒素量が35kg/10aの少肥栽培でも生葉収量は一番茶への減肥の影響はないが、二番茶・秋番茶ではやや減収する。しかし、荒茶全窒素への影響は小さい(表2)。 4. 荒茶単価は一番茶、二番茶ともにほぼ同等であり、過去5年間の平均荒茶売上額もほぼ同等である(表3)。 5. 施肥作業能率は44a/時間であり、組人員が1名の場合は特に肥料の袋開け・肥料補給時間が全作業時間の35%を占めている。少肥栽培では肥料の絶対量も削減でき、肥料散布時間は約50%の減少となるため、労働負担の軽減化・省力化の効果が大きい(表4)。 6. 多肥栽培において肥料費は物材費の約30%を占めており、経営収支に与える影響が大きく、少肥栽培では肥料費は約43%削減できるためコスト低減効果が大きい(表4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 減肥処理後5年目になるが、生葉収量及び品質は年次変動があるため、さらに継続調査が必要である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 肥料 機能性 経営管理 栽培体系 省力化 施肥 茶 低コスト 肥料散布 品種 |