タイトル | 浅耕狭畦・無中耕無培土栽培による大豆の収穫作業改善効果 |
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担当機関 | 三重科技 |
研究期間 | 2003~2003 |
研究担当者 |
中西幸峰 神田幸英 梅田直円* 金谷豊* 松尾和之* 渡辺輝夫*(*:中央農研) |
発行年度 | 2003 |
要約 | 浅耕狭畦無中耕・無培土栽培大豆のコンバインによる頭部損失は、中耕培土栽培に比べ1/3程度に低下する。また、土の掻き込みの危険が低いことから汚粒の発生も低く抑えられる。無中耕無培土によるコンバイン作業速度の向上により、浅耕狭畦・無中耕無培土栽培でも70cm条間の耕起中耕培土栽培と同等の作業能率が確保される。 |
キーワード | ダイズ、大豆、コンバイン、浅耕狭畦無中耕・無培土栽培、頭部損失、汚粒、作業能率 |
背景・ねらい | 大豆作の経営規模拡大が進む中、中耕培土作業は作業時間短縮の大きな制約要因になっている。また、三重県では1等比率が20%と低いが、品質低下の内容はコンバイン収穫時の土壌混入による汚粒であり播種期の遅れによる短茎化と中耕・培土が主要因とされている。そこで、コンバイン収穫時における頭部損失、外観品質への影響を浅耕狭畦・無中耕無培土栽培と中耕培土栽培で比較しその効果を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 供試圃場の大豆播種は中耕培土、無中耕無培土とも7月25日前後と、本地域での標準に比べ2週間程度遅い。条間は、中耕培土栽培は85cmと広いが、無中耕無培土栽培では45cmと狭畦に設定している。 2. 中耕培土栽培の畦高は、17~20cmであり主茎長、最下着莢高(いずれも地際部からの高さ)は、それぞれ14cm、5cm程度、無中耕無培土栽培が中耕培土栽培を上回る。中耕培土栽培では、畦上を走行する必要性から刈高の調整が難しく、刈高さは平畦に比べ3cm程度高い値を示す(表1)。 3. 頭部損失は無中耕無培土が5.9%と少ないが、中耕培土栽培では15.4%に達する(図1)。この差の主な要因は落莢と刈り残しで、中耕培土栽培では最下着莢高が低く、刈高さが高いため刈残し損失が多い。また、中耕培土栽培では主茎長が短いために、コンバインリールによって掻き込まれず、プラットフォームオーガによる送りが不十分等の要因から落莢損失が増加する(図2)。 4. 汚粒の程度は、無中耕無培土栽培が中耕培土栽培に比べて低い傾向にあり、主な要因は土の混入である(図1)。 5. 作業速度は、無中耕無培土栽培が中耕培土栽培を上回る。中耕培土栽培の条間は85cmと広く枕地の作付けがないことから圃場作業量は無中耕無培土栽培より高い値を示すが、当地域での平均的な条間70cm、枕地作付け有りで試算すると同等以上の圃場作業量が期待できる。(表2) |
成果の活用面・留意点 | 1. 当地域での主要品種フクユタカの標準的播種期では、主茎長が長くなり倒伏の危険性が高いため、無中耕無培土栽培は晩播のみ適応可能である。 2. 無中耕無培土栽培は、雑草が問題となる場合があるため、播種前の茎葉処理剤、播種後土壌処理剤の選択及び散布方法等雑草対策が重要である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 規模拡大 経営管理 雑草 大豆 土壌処理 播種 品種 |