酒造好適米の水稲新品種候補系統「むさしの酒6号」

タイトル 酒造好適米の水稲新品種候補系統「むさしの酒6号」
担当機関 埼玉農総研
研究期間 1992~2003
研究担当者 岡田雄二
関口孝司
戸倉一泰
荒川誠
重松統
小指美奈子
上野敏昭
新井守
新井登
石井博和
大岡直人
大塚一雄
渡邉耕造
武井由美子
箕田豊尚
矢ヶ崎健治
齋藤孝一郎
発行年度 2003
要約 水稲「むさしの酒6号」は、外観品質が良く、酒造適性に優れ、普通植栽培で多収の酒造好適米である。
キーワード イネ、酒造好適米、むさしの酒6号
背景・ねらい 本県の清酒製造量は全国でも有数であるが、酒造好適米の県産米利用は1割に満たない。現在の奨励品種「若水」は純米酒等の高級酒に使用されているが、近年品質が不安定であることや砕米、高度精白に不適などの問題から消費、生産が伸び悩んでいる。県産米の消費、生産拡大および県産清酒の独自性を打ち出すために生産者や実需者から県独自の酒造好適米品種が強く要望されている。そこで、酒造適性に優れ、高品質の酒造好適米品種を育成する。
成果の内容・特徴 1.
「むさしの酒6号」は1992年に「改良八反流」を母に「若水」を父として人工交配を行い育成された系統である。
2.
「若水」と比べ、早植では出穂期、成熟期が3日遅く、普通植では出穂期が4日、成熟期が6日遅い晩生種である。
3.
「若水」に比べ、稈長は10~14cm長い。穂長は同等~やや長い。穂数はやや多く、草型は偏穂重型である。
4.
耐倒伏性はやや弱。穂発芽性は中である。
5.
いもち病真性抵抗性遺伝子型は+と推定され、葉いもち抵抗性は中、穂いもち抵抗性はやや弱である。白葉枯病抵抗性は中である。
6.
収量は「若水」に比べ、早植では低く、普通植では多収である。
7.
千粒重は「若水」に比べ、普通植で1g大きい。玄米外観品質はやや優れる。心白の発現率は「若水」よりやや低い(表1)。心白の大きさはやや小さい。早植で胴割米がやや発生しやすい。
8.
原料米分析の結果、「若水」と同様の性質を示し、さらに粗蛋白質が少なく、無効精米が少ないため、酒造適性は優れる(表2)。
成果の活用面・留意点 1.
普及地帯は、県北部の普通植栽培地域。普及見込み面積は50ha。
2.
生育期間中、葉色はやや濃く推移するため、穂肥の施用時期に注意する。
3.
倒伏のおそれがあり、また、玄米中のタンパク質含量を高めないため、適正な肥培管理を行う。
4.
胴割米の発生など、玄米品質低下を防ぐため、適期に刈り取り、乾燥調製を適切に行う。
図表1 217433-1.gif
図表2 217433-2.gif
カテゴリ いもち病 乾燥 酒造好適米 新品種 水稲 生産拡大 抵抗性 抵抗性遺伝子 肥培管理 品種

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