タイトル | セイヨウナシ黒斑病の防除技術 |
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担当機関 | 新潟農総研 |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 |
棚橋 恵 山口吉博 小野長昭 |
発行年度 | 2003 |
要約 | セイヨウナシには、黒斑病に対する明確な品種間差異があり、‘ル・レクチエ’、‘ゼネラル・レクラーク’の芽、葉および果実が発病する。これら罹病性品種の発病は、剪定枝、腐敗芽等の伝染源の除去とAlternaria属菌に効果の高い薬剤の適期散布により防除できる。 |
キーワード | 西洋ナシ、黒斑病、Alternaria alternata、品種間差異、果実、伝染源、防除 |
背景・ねらい | 新潟県のセイヨウナシの主要品種である‘ル・レクチエ’に発生する芽の腐敗(以下腐敗芽)および葉の黒変症状は、Alternaria alternataによる新病害でありセイヨウナシ黒斑病と命名した。本病は、県内各地の栽培産地で発生し、発病が激しい場合には落葉を伴うため、セイヨウナシの収量・品質を低下させる。そこで、本病の伝染環や防除薬剤を明らかにし、本病の防除技術を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 葉の発病には品種間差異が認められ、‘ゼネラル・レクラーク’、‘ル・レクチエ’は発病するが、‘バラード’、‘越さやか’、‘ラ・フランス’、‘マルゲリット・マリーラ’および‘シルバーベル’は発病しない(表1)。 2. 罹病落葉、罹病枝および腐敗芽は伝染源となるため除去する(図1)。 3. 遅れて伸長する徒長枝葉は発病しやすいため、不定芽は早めに除去する(データ略)。 4. 葉の発病および腐敗芽発生に対しては、それぞれ6~9月および8~9月の防除が有効である(表2)。 5. 本病の防除には、イミノクタジンアルベシル酢酸塩、イプロジオン、シプロジニル、フルアジナムおよびポリオキシン剤が有効である(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. セイヨウナシ罹病性品種に適用する。 2. ‘ル・レクチエ’果実に薬害を生じやすいイミノクタジンアルベシル酢酸塩、イプロジオン、シプロジニル、フルアジナム等の薬剤は、落花直後~袋かけ前の使用は避ける(表3)。 3. イプロジオンおよびポリオキシン剤は薬剤耐性菌が出現しやすいので、単剤の使用は避け有機銅剤等との混合剤を使用する。 4. 本病の発生原因、芽、葉の病徴および発病推移等については、北陸農業研究成果情報 第17号 Alternaria alternataによるセイヨウナシ黒斑病を参照する。 5. ‘ル・レクチエ’では果実面にやや窪んだ黒点を生じるが、果実発病に対する防除効果は未検討である(図2)。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 西洋なし 耐性菌 ばら 品種 防除 薬剤 |