タイトル | 小型ネギ全自動調製機 |
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担当機関 | 千葉農総研 |
研究期間 | 2002~2003 |
研究担当者 |
中村耕士 長谷川誠 安藤利夫 溝田俊之 齊藤健二郎(有限会社dmr) |
発行年度 | 2004 |
要約 | 小型のネギ全自動調製機(SK-004型)は、収穫したネギの根切り・皮むき・葉切り作業を全自動で行うことができる。作業精度は高く、実作業における1時間当たりの処理能力は約600本である。 |
キーワード | ネギ、出荷調製、調製機、作業精度、全自動 |
背景・ねらい | 中国からの安価なネギの輸入量の増加に伴い、国内産ネギの市場価格は低迷し、生産農家の経営は厳しいものとなっている。この対策として、ネギ栽培での作業時間のうち大きなウェートを占める調製作業を機械化してコストを低減させ、ネギ生産農家の経営安定化を図る。 なお、本情報は、県内機械メーカーの有限会社dmrとの共同研究で得られた成果である。 |
成果の内容・特徴 | 1. 本機種は、根切り・皮むき・葉切り作業を全自動で行うことができる小型ネギ全自動調製機である(図1)。本機種の大きさは、長さ140cm、幅300cm、高さ158cmである。操作に熟練を要することなく、パート労働者でも対応できる。 2. 根切り位置は、赤外線センサーにより決定する。盤茎部へレーザー光を照射し、反射光量の変化により切断位置を決定する(図2)。その後、センサーに連動して前後に移動する鋸刃により根を切断する。 3. 根切り後、リフター(支持棒)により皮むき部へネギを送る。皮むきは6個のエアノズルが配置されたリング状のホルダーがネギの上部から根の方へ移動する際に圧縮空気を吐出して行う(図3)。エアノズルの作動時間はタイマーで調節することができる。 4. 葉切りは、固定された鋸刃により上部の葉を出荷する長さに切りそろえる。 5. ネギの葉の部分をベルトで押さえて搬送することにより、根切り・皮むき・葉切り作業時のネギのブレを防ぎ、高い作業精度が得られる。 6. 本機種の処理能力は、1時間当たり700本(5秒/本方式)~900本(4秒/本方式)であるが、実作業では1時間当たり600本程度(5秒/本方式)と考えられる(表1)。 7. 本機種の利用により出荷調製時間が大幅に短縮できる。個別経営での利用に限らず出荷調製プラントに組み入れた利用も可能である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 調製作業の前処理として、出荷時に不要となる外葉の葉身をあらかじめ除去する。 2. コンプレッサーは7.5kWのものが必要である。 3. 現状の作業時における作業者耳元の騒音測定値が98dBとやや高い。皮むき部の防音対策や作業者のイヤーマフ使用などの対策が必要となる。 4. ネギの状態により、エアノズルの作動時間を調整する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 機械化 経営管理 コスト 出荷調整 ねぎ |