タイトル | 黒毛和種は8ヵ月齢で肥育を開始することにより26ヵ月齢出荷が可能 |
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担当機関 | 群馬畜試 |
研究期間 | 2002~2005 |
研究担当者 |
小屋正博 浅田勉 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 黒毛和種去勢牛12頭を用いて、8ヵ月齢から肥育を開始し26、28および30ヵ月齢で出荷した結果、26ヵ月齢で出荷しても良好な肉質成績が得られ、早期に肥育を開始することにより26ヵ月齢出荷が可能である。 |
キーワード | ウシ、黒毛和種去勢牛、早期肥育、26ヵ月齢出荷 |
背景・ねらい | 素牛導入後の飼い直しや肉質向上を目的とした肥育期間の長期化等により、本県における黒毛和種の平均出荷月齢は31.8ヵ月齢と、全国平均に比べ長い傾向にある。しかし、肥育期間の長期化は飼料費等の増加はもとより、肉質成績の向上に結びつかず経営を圧迫しているケースも見受けられる。 そこで、出荷月齢の早期化および肥育期間短縮を図ることを目的として、早期に肥育を開始したときの適正な出荷月齢について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 供試牛は8ヵ月齢の黒毛和種去勢牛12頭を用い、26ヵ月齢で出荷する区(26出荷区n=4)、28ヵ月齢で出荷する区(28出荷区・n=4)および30ヵ月齢で出荷する区(30出荷区・n=4)の3試験区を設定した。試験期間は前期および中期は90日、後期については26出荷区363日、28出荷区424日、30出荷区484日とした。 濃厚飼料は市販前期配合飼料(TDN68%、DCP12.5%)、大豆粕、市販後期配合飼料(TDN70.0%、DCP11.0%)および大麦圧扁を表1のとおり混合し給与した。粗飼料は前期当場産乾草、中期以降は稲ワラを、それぞれ切断し分離給与した。 1. 出荷時体重は26出荷区687.8kg、28出荷区726.5kg、30出荷区750.0kgと、月齢が進むにつれ大きくなるが、1日当たり増体量(DG)は26出荷区0.86kg、28出荷区0.84kg、30出荷区0.80kgで有意差は見られない(表2)。 2. 1日1頭あたりの飼料摂取量は26出荷区8.7kg(濃厚飼料7.4kg、粗飼料1.3kg)、28出荷区8.7kg(濃厚飼料7.5kg、粗飼料1.2kg)、30出荷区8.4kg(濃厚飼料7.2kg、粗飼料1.2kg)で有意差は見られない。 3. 26ヵ月齢で出荷しても28および30ヵ月齢出荷時と同等以上の枝肉成績を確保できる(表3)。 4. 切断力価は第6~7胸椎間における胸最長筋の粗脂肪含量の最も多かった26出荷区が1.5kg/cm表4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 黒毛和種子牛市場における出荷月齢(8ヵ月齢)および黒毛和種去勢肥育牛出荷の指針として活用できる。 2. 26ヵ月齢時の体重が650kgに達しない牛は枝肉重量が小さいことから28ヵ月齢で出荷した方が収益性の向上につながる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 経営管理 出荷調整 大豆粕 肥育期間短縮 |