タイトル | 市販セル培養土の理化学性の違い |
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担当機関 | 園芸部 |
研究期間 | 2004~2004 |
研究担当者 |
益永利久 宗芳光 吉岡孝行 椿眞由已 |
発行年度 | 2004 |
要約 | ピートモスを主体とした市販セル培養土は、有効水分で2倍、仮比重で5倍、固相率で10倍の差がある。また可給態リン酸や交換性カリが低い培養土から多くの成分を高濃度で含有する培養土まで化学性にも幅が認められる。 |
キーワード | セル用培養土、理化学性 |
背景・ねらい | 近年、野菜や花きの生産現場でセル育苗が増えている。花のセル育苗には市販培養土が利用されているが、作物に適さないものを選択したり、培養土にあわない管理がされたことで障害の発生も報告されている。代表的な9種類の培養土の理化学的な特性を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. ビオラとハボタンを無施肥・同一灌水条件で育苗すると培養土によって生育に違いが生じる。これは培養土による理化学性の違いが要因となり発生する(表1)。 2. すべてピートモスを主体とした培養土であるが、仮比重で5倍、また固相率で10倍の開きがある。しかし気相率はほぼ同等で高いため、根づまりの恐れは少ない(図1、表2)。 3. 有効水分は,2倍の開きがあり水分率で10%程度異なる(図2)。また有効水分が同等であるBMとT2では、pF1.5とpF2.7の水分率が6~7%程度異なる。 4. ゼオライトが混合されたGK花は他の培養土と化学性は異なる。2番目にCECが高い培養土の3倍以上の保肥力があり、同時に成分を多量に含んでいる(表2)。ビオラで発芽率が低いのは高い成分含量が影響している(表1)。 5. GK花以外の培養土のCECは0.13~0.17meq./cm表2)。液肥施用する場合、培養土中の含有量や作物の肥料要求性を考慮しながら施肥濃度や回数を変える必要がある。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 図表中での培養土の配列は有効水分の少ない順である。 2. 水分や肥料の要求量は作物によって異なる。作物にあった培養土を選定し、適正に施肥・水分を管理するための参考資料として活用できる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 育苗 施肥 はぼたん |