タイトル | 水稲「関東209号」の奨励品種採用 |
---|---|
担当機関 | 神奈川農総研 |
研究期間 | 2001~2004 |
研究担当者 |
大嶋保夫 北川高弘 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 水稲「関東209号」は本県において10月上旬に収穫する中生品種である。短稈で耐倒伏性が強く、粘りがあり良食味なので、奨励品種に採用する。 |
キーワード | 水稲、奨励品種、関東209号、良食味、中生品種 |
背景・ねらい | 神奈川県では早生品種の「キヌヒカリ」に作付けが集中している。しかし、「キヌヒカリ」の収穫時期は9月下旬のため、秋雨や高温障害等の気象災害を受けやすく、乳白粒や胴割粒が多発する。また、同一水系においては「キヌヒカリ」中心の水管理が中晩生品種の「祭り晴」の品質、食味を低下させている。そこで「キヌヒカリ」と「祭り晴」の中間の熟期となる良食味品種を選定する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 「関東209号」の出穂期、成熟期は「キヌヒカリ」より7~10日遅く、「祭り晴」より3~5日早い、本県では中生品種である(表1)。 2. 稈長は「キヌヒカリ」より約4~11cm短く、「祭り晴」並の短稈である。耐倒伏性は「キヌヒカリ」並のやや強である(表1)。 3. 収量性は「キヌヒカリ」より優れ、「祭り晴」と同程度である(表1)。 4. 玄米千粒重は「キヌヒカリ」よりやや重く、粒色はやや濃飴である。茶米はやや多いが、見かけの玄米品質は「キヌヒカリ」に優る(表1)。 5. 食味は粘りがあり、「キヌヒカリ」並~やや良である(図1)。 6. 玄米のタンパク質含量は「キヌヒカリ」よりやや低く、「祭り晴」と同程度である(図2)。 7. 出穂前20日~14日の追肥は増収効果が高く、玄米のタンパク質含量が高まらない(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 普及地帯は県内全域。普及見込み面積は1000ha。 2. 分げつ期の葉色が淡いので、追肥は多肥にならないように注意する。 3. 出穂前20日以前の追肥は止葉が長くなり、出穂前7日以降の追肥は玄米のタンパク含量が高まる。 4. 白葉枯病の常発地域では、一度に多量の窒素肥料を施さない。籾枯細菌病については、種子消毒の徹底を図る。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 高温対策 種子消毒 水稲 品種 水管理 良食味 |