タイトル | ビール大麦の穀粒SKCS硬度による極高ジアスターゼ系統の選抜 |
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担当機関 | 栃木農試 |
研究期間 | 2003~2003 |
研究担当者 |
長嶺敬 関和孝博 山口恵美子 渡邊修孝 |
発行年度 | 2004 |
要約 | ジアスターゼ力が600WK/TNを超える極高ジアスターゼ系統は穀粒SKCS硬度が特異的に高い。極高ジアスターゼ系統は麦芽エキスが平均1%低くなるが、麦芽エキスが83%程度の「極高ジアスターゼ・高エキス系統」は選抜できる。 |
キーワード | 二条オオムギ、ビール麦、ジアスターゼ力、SKCS、硬度、醸造品質 |
背景・ねらい | 麦芽の澱粉分解能力の指標となるジアスターゼ力(DP)の向上はビール麦の品質育種目標の一つである。とくに発泡酒用には副原料の澱粉成分を分解する能力が高い極高DP品種が適していると考えられる。高リジン裸麦系統「四R系1363」に由来する系統のなかには通常品種のおよそ3倍の600WK/TNを超えるDPを有する極高DP系統がみられる。そこで極高DP系統の効率的な選抜を行うために、小麦の品質育種で用いられている穀粒硬度計SKCS4100(Single Kernel Characterization System) を用いた極高DP系統の簡易選抜法を開発する。また極高DP特性が麦芽エキスなどに及ぼす品質多面効果の解析を行い、高品質極高DP系統を選抜するためのポイントを明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 四R系1363(=高リジン遺伝子lys1を有する)に由来する36系統のなかで、DPが600 WK/TN以上の極高DP系統は特異的に高い原麦SKCS硬度を示す(図1)。すなわち原麦硬度が高い系統を選抜することにより、極高DP系統の効率的な選抜ができる。 2. ただし、原麦硬度は麦芽エキスと負の相関(r=-0.50図2)、極高DP特性と高麦芽エキス特性は育種的に組み合わせることが出来る。 3. その他の醸造品質特性(麦芽粗蛋白含量、可溶性窒素、コールバッハ数、麦汁β-グルカン)については、極高DP系統群はDP値の低い系統群と同様の平均値を示す(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. DPが350 WK/TN以下の通常の材料を用いた試験ではDPと原麦SKCS硬度の相関(r=0.35*)は低い。したがって、原麦硬度によるDPの選抜はlys1遺伝子が関わる極高DP系統を親とする組み合わせ以外では有効性が低い。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | アスター 育種 大麦 小麦 品種 |