タイトル | カキ果実の花柱痕基部黒変症の発生助長要因と対応策 |
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担当機関 | 佐渡農技セ |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
棚橋 恵 本永尚彦 伊藤公一 山口吉博 根津 潔 本間昌彦 小野長昭 |
発行年度 | 2004 |
要約 | カキ果実の花柱痕基部黒変症(通称:芯黒果)は、花柱痕基部の癒合不良部位に発生し、同部位にPestalotiopsis属菌が開花期始期~満開5日後頃に感染することによりその程度が助長される。開花期前後にイミノクタジンアルベシル酸塩剤を用いることにより、花柱痕基部黒変症の発生を軽減できる。 |
キーワード | カキ、果実障害、花柱痕基部黒変症、Pestalotiopsis属菌、薬剤 |
背景・ねらい | 平成4年頃から新潟県のカキ栽培産地では、果実果頂部の花柱痕内部にすじ状の黒変する症状(花柱痕基部黒変症、通称:芯黒果(しんぐろか))が発生した(図1)。花柱痕基部黒変症は、本県主要品種「平核無」、「刀根早生」に発生し、果実の外観品質を損なうばかりでなく、日持ちが短くなることから、その発生原因の解明と防止策が求められている。そこで、本症状に対する病原菌の関与を明らかにして被害回避策を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 花柱痕基部黒変症は、果実の花柱痕基部に開花始期~満開5日後頃Pestalotiopsis属菌が感染すると助長される(表1、表2)。 2. 現地生産圃場で発生する花柱痕基部黒変症からPestalotiopsis属菌が高率に分離され、分離菌株の約60%がチオファネートメチル剤耐性菌である(データ略)。 3. イミノクタジンアルベシル酸塩剤、ジフェノコナゾール剤、テブコナゾール剤、フルアジナム剤および有機銅剤は、チオファネートメチル剤感受性および耐性Pestalotiopsis属菌に対して高い生育抑制効果を示す(図2)。 4. 開花期前後にイミノクタジンアルベシル酸塩剤を用いることにより、花柱痕基部黒変症の発生を軽減できる(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 花柱痕基部黒変症状の多くは果頂部の窪みを伴うため、仕上げ摘果時に1.6mm以上の窪みのある果実は必ず除去する(平成9年度「参考に供する技術」、平成13年度「研究情報」新潟県農林水産部)。 2. 花柱痕基部黒変症の発生助長要因には、他の糸状菌の関与も考えられる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
図表5 | |
カテゴリ | かき 果実障害 耐性菌 品種 薬剤 |