タイトル | ダイズ出芽安定化のための種子水分調整方法 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 | 2004~2008 |
研究担当者 |
国立卓生 金谷 豊 梅田直円 長坂善禎 堀金明美(食総研) 吉田 充(食総研) |
発行年度 | 2005 |
要約 | 温度と湿度を調節して種子水分15%前後に調整することで播種時における子葉の裂けとカビの繁殖が抑えられ、湿害時に出芽率を最も高めることができる。また温度35℃、相対湿度95%として処理速度を速めても出芽率は低下しない。 |
背景・ねらい | 湿害が懸念される土壌のダイズ出芽安定化技術として、種子水分を高めた水分調整種子の有効性が明らかにされているが、種子水分の適正値はこれまで明らかにされていない。そこで、種子水分の適正値を明らかにするとともに種子水分調整のための処理条件を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 出芽時に湿害の症状として現れる子葉の裂けは浸漬して6時間後が最も顕著なため(図1)、この特性を利用すると浸漬前の種子水分と子葉の裂け発生比率の関係が確実、且つ容易に把握でき、双方は反比例し、水分14%以上で子葉は殆ど裂けなくなり、発芽率が高まる(図2)。 2. 種子水分16%前後まで調整すると、カビが生育・繁殖できる最低水分活性値0.8に達し、水分調整時に種子にカビが繁殖することから発芽率が低下する(図2)。また過湿土壌では同様の出芽率の傾向を示す(図3)。以上、種子水分の適正値は15%前後である。 3. 種子水分15%前後に調整する際の処理条件として、処理温度は15℃としても35℃としても出芽率に大きな差はない。また温度35℃、相対湿度95%として処理速度を速めても出芽率は低下しない(図3、図4)。 4. 処理時間は、相対湿度95%では温度35℃で初期水分12%の種子で約30分、同7.4%の種子で10時間程度かかり、温度15℃では同12%の種子で数時間、同7.4%の種子で20時間前後かかる(図4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. タチナガハを用いた試験結果である。 2. 処理温度15℃と35℃は播種時期の気温変動を考慮して設定した。 3. 傾斜回転目皿方式の播種機は水分調整種子に十分対応できるが、スライドロール方式では種子が損傷する可能性がある。 4. 播種後土壌が乾燥した場合、水分調整種子では生育が劣る可能性がある。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
図表5 | |
カテゴリ | 乾燥 湿害 大豆 播種 繁殖性改善 |