タイトル | 製麺残さを利用した交雑種去勢牛肥育 |
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担当機関 | 千葉畜総研 |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
山田真希夫 小林正和 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 製麺残さ(乾燥ゆでそば)の濃厚飼料に対する代替率を原物重量比で0%、15%、30%とした3試験区を設定し肥育試験を実施したところ、増体成績および枝肉成績に悪影響は認められず、濃厚飼料の30%まで乾燥ゆでそばでの代替が可能であり、コスト低減に寄与できる。 |
キーワード | 肉用牛、製麺残さ、そば、交雑種去勢牛 |
背景・ねらい | 肉用牛肥育経営に占める飼料費は生産費(素畜費を除く)の約70%に及び、その中の大部分を占める濃厚飼料(穀類)は、そのほとんどを輸入に依存している。したがって、食品工場から恒常的に出される食品残さが有効利用できれば、低コストでの肥育が可能になるとともに輸入飼料依存度を減少させることができる。 そこで、濃厚飼料の一部を乾燥ゆでそば(CP16.9%、NFE80.9%)で代替した飼料を用いた肥育試験を行い、産肉性等に及ぼす影響について検討した。 |
成果の内容・特徴 | 平均9か月齢の交雑種去勢牛9頭(すべて県内産)を用い、肥育期を前期(5か月間)、中期(5か月間)後期(6か月間)に分け、24か月齢でと畜した。供試飼料の粗飼料はモミ殻(原物重量比50%)と切断稲ワラ(同50%)で濃厚飼料(市販配合飼料)と混合し、自由採食とした。粗濃比は原物重量比で前期25:75、中期15:85、後期10:90とし、市販配合飼料の乾燥ゆでそば代替率を原物重量比で0%(対照区),15%(15%区),30%(30%区)の3区を設定し肥育試験を実施した。 1. 飼料摂取量は30%区が最も多い傾向を示す(表2)。 2. 終了時体重、1日当り増体量は30%区がやや高い傾向を示すものの試験区間に差は認められない(表2)。 3. 枝肉成績では、枝肉重量、ロース芯面積、皮下脂肪の厚さ、BMS.No、BCS.Noにはいずれも試験区間に差は認められないが、バラの厚さは30%区が対照区よりも1.7cm厚くなり(p<0.05)、肉の柔らかさの指標である剪断力価も30%区が対照区に比べ1.46kg/cm2低くなる(p<0.05)(表3)。 4. 枝肉1kgあたり飼料費の試算では、30%区が303.0円、15%区が329.9円、対照区は361.9円と30%区が最もコストが低くなる(図1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 自家配合実施農家および飼料製造メーカーで活用できる。 2. 乾燥ゆでそばはそのままでは嗜好性や作業性が劣るため、粉砕したものを用いること。 3. 乾燥ゆでそばは第1胃内での分解が早く、鼓脹症などになりやすいため、配合飼料代替比率は30%までとすること。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 乾燥 経営管理 コスト そば 低コスト 肉牛 ばら |