洪積台地から沖積低地への地下水流動に伴う脱窒は局所的に起きている

タイトル 洪積台地から沖積低地への地下水流動に伴う脱窒は局所的に起きている
担当機関 愛知農総試
研究期間 2003~2005
研究担当者 恒川歩
今井克彦
柴山浩子
糟谷真宏
江口定夫(農環研)
発行年度 2005
要約 洪積台地上で地下水に負荷された硝酸態窒素の脱窒は、洪積土壌と沖積土壌の境界付近の脱窒能を有する土層で局所的に起きている。
キーワード 脱窒、地下水、硝酸態窒素、洪積台地、沖積低地
背景・ねらい 洪積台地とつながる沖積低地の浅層地下水は、周辺に硝酸態窒素の負荷源が存在しても硝酸態窒素濃度が低いことが明らかとなっており、脱窒が起きている可能性が高い。そこで、洪積台地から沖積低地への地下水流動に伴う脱窒条件を明らかにする。

成果の内容・特徴 1.
洪積台地の下層土には脱窒能を有する土層は存在しないが、沖積低地の下層土には脱窒能を有する土層が存在する(図1)。
2.
下層土の脱窒能、地下水中硝酸態窒素濃度とその窒素安定同位体自然存在比の測定結果から、P4地点の2.5mおよびP5地点の0.5m付近の土層で脱窒が起きていることがわかる(図1、表1)。P4およびP5地点は洪積土壌と沖積土壌の境界付近であり、他の地点では脱窒が認められないことから、脱窒は局所的に起きている。
3.
深さ別井戸の水位データから、硝酸態窒素を含むP4地点の2.5mおよびP5地点の1.0~2.0mを流れる地下水は、それぞれP4地点の2.0mおよびP5地点の0.5mより水位が高いので、一部は上向きの流れとなって上層へ浸透する(図2)。
4.
洪積台地上で負荷された硝酸態窒素を含む地下水は、砂質土層を流れる過程で、上層に堆積した沖積土壌と下層の難透水層に挟まれて圧力を受け、一部が上方の脱窒能を有するP4地点の2.0m付近およびP5地点の0.5m付近の土層へ浸透し、そこで脱窒が起きている。

成果の活用面・留意点 1.
本成果は、洪積台地に隣接する矢作川下流域の沖積低地水田下層土の結果である。
2.
下層土の脱窒能は、アセチレンブロック法(土壌に硝酸塩を添加して4時間、30℃で培養し、生成した一酸化二窒素量を測定)により求めた。
図表1 218166-1.gif
図表2 218166-2.gif
カテゴリ 水田

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