肉用牛における濃厚飼料中の適正な分解性蛋白質割合

タイトル 肉用牛における濃厚飼料中の適正な分解性蛋白質割合
担当機関 群馬畜試
研究期間 2004~2005
研究担当者 浅田勉
藤井香織
金井福次
発行年度 2006
要約 黒毛和種去勢牛に給与する濃厚飼料中の分解性蛋白質割合を前期70%程度、後期60%程度とすることにより、ばらの厚さ、締まり、締まり・きめ等級および肉質等級等が良好で、経済性も向上する。
背景・ねらい 肉用牛では第一胃内での蛋白質の分解と再合成を効率よく進め、飼料摂取量と飼料エネルギーの利用効率を最大にするためには飼料乾物中粗蛋白質含量を12%前後にすることが必要であるとされている。飼料中の粗蛋白質は第一胃内での特性により分解性蛋白質(以下CPd)と非分解性蛋白質に分別されるが、CPdに関する報告は少ない。そこで、黒毛和種去勢牛における濃厚飼料中の適正なCPd割合を究明するために試験を実施する。

成果の内容・特徴 1.
黒毛和種去勢牛12頭を供試し、濃厚飼料の乾物中粗蛋白質割合を前期(8~18カ月齢)19%、後期(18~28カ月齢)15%とし、CPdを70%程度の高分解区と60%程度の低分解区を設定し、前期36週、後期38週の肥育試験を行なう。
試験区分は、前期を高分解区(n=6)、低分解区(n=6)とし、後期はそれぞれを高分解区(n=3)と低分解区(n=3)に組み替える。
2.
飼料は、高分解区は大麦、トウモロコシ、フスマ、大豆粕およびミネラルを使用し、低分解区は大豆粕の代わりにコーングルテンミールを使用した。濃厚飼料は前期制限(5~9kg)、後期飽食、粗飼料はチモシー乾草(前期90日)と稲ワラを飽食とする。
3.
飼料摂取量および発育は、CPd割合の違いによる差は見られない(表1)。
4.
濃厚飼料中の分解性蛋白質割合を前期70%程度、後期 60%程度とすることにより、バラの厚さ、締まり、締まり・きめ等級および肉質等級等が良好で、1日増加額も大きくなり、経済的にも有利である(表2、図1)。

成果の活用面・留意点 1.
自家配合を実施している肥育農家および飼料製造メーカーで活用できる。
2.
飼料は濃厚飼料と粗飼料を分離給与とする。
3.
1日増加額は、(販売金額-飼料費)÷肥育日数から算出する。
4.
飼料単価は、高分解区濃厚飼料を前後期とも39円、低分解濃厚飼料前期40円、後期39円、チモシー乾草49円および稲ワラ40円とする。

図表1 218241-1.gif
図表2 218241-2.gif
図表3 218241-3.gif
カテゴリ 大麦 大豆粕 とうもろこし 肉牛 ばら

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる