タイトル | 超微小茎頂分裂組織培養法によるキクウイロイドフリー株作出技術の開発 |
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担当機関 | 愛知農総試 |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 |
加藤俊博 原広志(愛知経済連) 細川宗孝(京都大学) 大石一史 長谷川徹 堀田真紀子 |
発行年度 | 2006 |
要約 | 葉原基を含まない茎頂分裂組織をキャベツの根端部へ置床し、培養する超微小茎頂分裂組織培養法により、ウイロイドフリー株が作出できる。作出されたウイロイドフリーの「神馬」は産地で栽培されている株に比べ、草丈が高くなり、切り花重が増加する。 |
背景・ねらい | キクの主産地である愛知県では、キクわい化ウイロイド(CSVd)による被害が大きな問題となっている。しかし、葉原基を含む茎頂分裂組織を用いる通常の茎頂培養ではCSVdのフリー化は困難であった。そこで、葉原基を含まない茎頂分裂組織を用いる新しい培養法を開発し、主要品種「神馬」からCSVdの除去を行い、フリー化の効果を確認する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 葉原基を含まない茎頂分裂組織(直径約0.1mm)を切り取り、5~10mmに調整したキャベツ根切断面へ置床し、約1か月培養後に生長した植物体を修正MS培地へ移植すると、68.7%の生長点が生存でき、植物体へ生長させることができる(図1、表1)。 2. 超微小茎頂分裂組織培養法により、3.1%の株でCSVdをフリー化できる。さらに培養を2回繰り返すことによりフリー化率は16.7%に向上する(表1)。 3. 超微小茎頂分裂組織の培養で得られた「神馬」のCSVdフリー株は、産地で栽培されているCSVdを低濃度で保毒する株に比べ、親株挿し穂生産では採穂数が多く、平均穂重も重くなる(表2)。切り花生産では草丈が高くなり、切り花重も増加する(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 愛知県のキク無病苗供給体制(キク優良種苗供給事業)に本開発技術を組み込み、安定的にウイロイドフリー苗を産地へ供給する。 2. 本成果は全国のキク産地に活用できる。 3. 栄養繁殖性花き類への応用が可能な技術である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 馬 きく キャベツ 繁殖性改善 品種 |