四季成り性イチゴ新品種「かいサマー」の育成

タイトル 四季成り性イチゴ新品種「かいサマー」の育成
担当機関 山梨総農セ
研究期間 2000~2006
研究担当者 加藤成二
窪川茂
窪田哲
石川寛人
赤池一彦
平林正光
木下耕一
発行年度 2006
要約 「かいサマー」は、「章姫」に「エラン」を交雑して育成した四季成り性イチゴ品種である。果実の形状や食味に優れ、盛夏期にも収量が落ち込むことなく7~10月に安定収穫可能で、山梨県の高冷地における夏秋どり栽培に適する。
キーワード イチゴ、夏秋どり、四季成り性、安定収穫、良食味
背景・ねらい 山梨県の夏秋どりイチゴの栽培品種は、「エラン」が大半を占めている。「エラン」は盛夏期にも連続して収穫が可能な品種であるが、酸味が強いという欠点がある。また、これまでに山梨県が育成したイチゴの品種はなく、品質の優れたオリジナル品種の育成が強く望まれている。これらのことから、盛夏期にも連続収穫可能で良食味な四季成り性品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 育成経過
    • 2001年に「章姫」を子房親、「エラン」を花粉親として交配した。得られた実生個体の中から四季成り性が安定し果実品質が良好な1系統を選抜し、2005年に「イチゴ山梨1号」の系統名を付し、2006年に「かいサマー」と命名した。
  2. 「かいサマー」の特性
    1. 草姿は立性、草勢は強である。ランナー発生数は「エラン」と同等である(表1)。
    2. 「エラン」よりも上物率が高いため多収である。果房出蕾の連続性が強いため、月別収量の変動が少なく、収量が安定している。果実の大きさは平均8.3gで、「エラン」と同等である(表2)。
    3. 果形は長円錐、果皮色は濃紅色、果実の空洞はかなり小である。また、そう果の落ち込みが小さいため、「エラン」より種浮き果の発生が少ない(図1、表3)。
    4. 収穫期間を通して、「エラン」よりも糖度が高く、酸度が低いため、糖酸比が高い。また、食味は非常に良好である(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 栽培適地は、標高700m以上の夏季冷涼な地域である。
  2. 果房の発生が旺盛で着果負担になりやすいため、1果房当たり5~7果に摘果する。
  3. 「エラン」と異なりランナーで増殖を行うが、定植後の栽培管理は「エラン」に準ずる。
  4. 許諾元は山梨県であり、当面山梨県内での普及を行う。
図表1 218362-1.jpg
図表2 218362-2.gif
図表3 218362-3.gif
図表4 218362-4.gif
カテゴリ いちご 栽培技術 新品種 品種 良食味

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる