タイトル | 窒素の排出量を大幅に削減できるトマトの貯留式養液栽培 |
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担当機関 | 山梨総農セ |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 |
五味亜矢子 松野篤 赤池一彦 竹丘守 對木啓介 宮川芳樹 |
発行年度 | 2006 |
要約 | トマト養液栽培において、既存の掛け流し式装置を不織布と水位センサーを用いて貯留式装置へと改造することにより、慣行と同等の果実収量・品質を得ながら、余剰窒素の温室外への排出量を大幅に削減することができる。 |
キーワード | トマト、養液栽培、貯留式、窒素 |
背景・ねらい | トマトの養液栽培では掛け流し式装置が主流だが、施用した肥料成分のうち植物に利用されなかった分は温室外に排出されるため、環境への影響が懸念されている。そこで既存の装置を改造して余剰窒素成分を温室外へ排出しない貯留式装置とし、それに適した培養液管理を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. トマトの養液栽培において、既存の掛け流し式装置の排液溝を塞いで排液を貯留する槽を設けて改造し、培地の下部に吸水性不織布を敷き、その一端を垂らして貯留液の再利用を図る。貯留槽には水位センサーを設置し、既存のタイマーと組み合わせて、一定時間毎に貯留液の減少した液量分が自動的に給液されるようにする(図1)。 2. 培養液の管理は、第8花房開花まではこれまでと同じEC値とし、それ以降は、収穫が開始され肥料成分の吸収がゆるやかになるため、施用窒素量をこれまでより半促成栽培では20%(表1)、抑制栽培では30%、少なくなるようにする。 3. 本装置の使用により、温室外への窒素の排出量は90%以上の大幅削減となる。肥料の使用量は30%以上削減されるため、肥料代は年間で約17万円/10a節約できる(表2)。 4. 果実の収量・品質は慣行栽培とほぼ同等である(表2)。 5. 装置の改造に要する資材費は約22万円/10aである(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本装置では培養液の組成は大塚C処方を用いる。 2. 培地内および貯留槽内の培養液のECが4dS/mを超える場合は濃度の薄い培養液をかけ流して培地を洗う。 3. 常に生育状況に注意し、草勢の強弱により培養液ECを微調整する。 4. 循環型養液栽培装置の導入には通常200万円/10a以上の費用がかかるのに比べ、本装置の導入にかかる費用は非常に安価である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 肥料 トマト 養液栽培 |