水稲乾田直播栽培の早期播種における出芽苗立ち安定法

タイトル 水稲乾田直播栽培の早期播種における出芽苗立ち安定法
担当機関 千葉農総研
研究期間 2002~2006
研究担当者 在原克之
小山豊
発行年度 2006
要約 2月下旬から3月中旬まで播種期を前進させた乾田直播栽培では、降雨後3日以上湛水しないように排水対策を行うとともに、種子消毒剤を塗沫して乾籾を播種する。レベラ整地後にディスク駆動式汎用不耕起播種機で播種することにより、出芽率は、2月下旬から3月上旬播種では55%以上、3月中旬以降の播種では70%以上となる。
キーワード 水稲、乾田直播、早期播種、出芽不良、 出芽始期予測、種子消毒
背景・ねらい 温暖地東部の早期栽培である千葉県において、乾田直播栽培の播種適期は4月中旬であり、排水施設等の圃場条件が整った地区で定着しているが、両総低地の水田では、4月に入ると地下水位上昇に伴って播種作業が困難となり、出芽不良が発生している。そこで、播種期を、周辺水田のかんがいが始まる前の、土壌水分の低い2月下旬から3月中旬まで前進させた場合の播種作業や出芽・苗立ちの安定化を図るため、早期播種における気象条件等が出芽に及ぼす影響を明らかにする。なお試験は、レベラ整地した中粗粒グライ土(壌土)圃場において、ディスク駆動式汎用不耕起播種機(深さ約3cm)により行った。

成果の内容・特徴 1.
稲わらが堆積した状態での不耕起播種では、レベラ整地した圃場へディスク駆動式汎用不耕起播種機で播種した場合に比べて、出芽が遅れ出芽率が低下する(図1)。
2.
降雨による湛水の影響は、3月9日播種の場合、3月中旬では5日間でも影響は少ないが、出芽始期をむかえる4月上旬では3日以上で出芽率を低下させる(図2)。
3.
種子消毒剤を乾籾に塗布し、浸種をせずに乾籾を播種することにより、土中での種子の腐敗を抑制できる。塗沫する消毒剤は、オキソリニック酸・ベフラゾエート水和剤よりもイプコナゾール・銅水和剤の方が効果が高い(図3)。
4.
播種期によって出芽率は異なり、2月下旬から3月上旬の播種では55%以上、3月中旬以降では70%以上となる(図4)。
5.
出芽始期は、有効温度(Tn)を日平均気温(tn)11.5℃以上とし、有効積算温度(E)が50℃とする愛知県の予測式で推定できる(図省略)。

成果の活用面・留意点 1.
イプコナゾール・銅水和剤を塗沫した乾籾の播種は適用外使用である。
2.
ディスク駆動式不耕起播種機による播種深は3cmとする。
3.
出芽期までは、本暗渠に加えて、補助暗渠や明渠を組み合わせて排水対策を図る。

図表1 218437-1.gif
図表2 218437-2.gif
図表3 218437-3.gif
図表4 218437-4.gif
カテゴリ 乾田直播 種子消毒 出芽不良 水田 水稲 播種

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