タイトル | キュウリ黄化えそ病ウイルスのRT-LAMP法を用いた高感度かつ簡易な検出法 |
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担当機関 | 群馬農技セ |
研究期間 | 2006~2006 |
研究担当者 |
桑原克也 |
発行年度 | 2006 |
要約 | RT-LAMP法を用ることで、キュウリ黄化えそ病ウイルス(MYSV)をELISA法及びRT-PCR法より高感度かつ簡易に検出できる。 |
キーワード | キュウリ、黄化えそ病、MYSV、RT-LAMP法、高感度、簡易検出 |
背景・ねらい | 群馬県内の施設栽培キュウリにおいて、Melon Yellow Spot Virus (MYSV)によるキュウリ黄化えそ病の発生が問題となっている。県内の平坦地を中心に発生面積が増加しているため、現地では迅速な診断による防除対策が求められている。そこで、RT-LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法を用いた現場で活用できる高感度で簡易な検出法を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. MYSV検出用LAMPプライマーは、データベースに登録されたMYSV分離株の遺伝子配列情報を基に、LAMP法プライマー設計支援ソフト「PrimerExplorer Ver.3(富士通)」を用いて作成した(表1)。 2. キュウリのMYSV感染葉から抽出した全RNAを対象とした場合、上記プライマーを用いたRT-LAMP法は、RT-PCR法と比較して、検出感度が100倍高い(図1)。 3. 植物磨砕液をそのまま用いた場合でも、RT-LAMP法はMYSVの検出が可能であり、ELISA法と比較して10~100倍の高い検出感度である(図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 検出感度が高いため、試料のコンタミネーションによって、擬陽性を示しやすいので、試料調製時の操作には注意する。 2. RT-LAMP法で処理した検体は、電気泳動を行わなくとも蛍光・目視検出試薬を添加することで、紫外線下での発光反応(図2)及び可視光線下で緑色への呈色反応(図略)により、目視でMYSVを容易に検出できる。 3. RT-LAMP法は、一定温度(65℃付近)に保温することで反応が進むため、PCR装置等の特別な機器は必要なく、恒温器1台があれば実施可能である。 4. 操作に要する時間は、RT-PCR法で5時間程度、ELISA法で7時間程度であるのに対し、RT-LAMP法は1時間程度で済み、現場で迅速に検定できる。 5. RT-LAMP法を用いた診断を営利目的で行う場合は、栄研化学株式会社に対し、本法に関する特許の実施許諾契約が必要となる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 黄化えそ病 きゅうり 施設栽培 データベース 防除 |