タイトル | 乳用牛のMUN値(乳中尿素態窒素)の実態と乳生産との関係 |
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担当機関 | 千葉畜嶺岡 |
研究期間 | 2004~2007 |
研究担当者 |
永福和明 坂巻武 山下秀幸 松岡邦裕 千葉耕司 前之園孝光 |
発行年度 | 2007 |
要約 | MUN値は泌乳初期に低く、最盛期に高くなり、後期に緩やかに減少する傾向が見られた。MUN値が高くなると乳量は増加する傾向がみられたが、18mg/dl以上では若干減少した。乳量が20kg/日以上50kg/日未満では乳蛋白質率が高くなるとMUN値が低くなる傾向が見られた。 |
背景・ねらい | MUN値(乳中尿素態窒素)は牛が摂取した蛋白質とエネルギーとのバランスに関係が深く、乳生産・繁殖・代謝疾病等に影響があるとされている。このため、MUN値を利用して適正な飼料給与や繁殖管理を行うことで経営の改善が期待できる。そこで本県の農家の実態を調査し、今後の飼養管理の改善・環境負荷低減等の指導の一助とする。 |
成果の内容・特徴 | 千葉県内の酪農家1,397戸のバルク乳(旬別に月3回調査)および牛群検定参加農家170戸の個体乳(月1回調査)のMUN値の実態について、平成15年4月から平成17年3月まで調査した。個体乳量、乳成分率との関係については牛群検定成績から164農家6,604頭、47,511データを、また分娩後日数との関係については上記データから抽出した5,709頭、31,605データを用い、分析した結果は以下のとおりであった。 1. バルク乳のMUNの平均値は13.22(±1.88)mg/dl(74,514データ)であり、個体乳のMUN平均値は12.29(±2.50)mg/dl(215,653データ)である。(図1) 2. 個体乳の分娩後日数別のMUN値は泌乳初期に11.5mg/dlであり、その後最盛期には12.8mg/dlと高くなり、後期に11.6mg/dlと減少する。(図2) 3. MUN値が増加すると乳量が有意に増加し、その値が18mg/dl以上では乳量に差は見られない。(図3) 4. 乳量が20kg/日以上50kg/日未満で乳蛋白率が高くなるとMUN値は低くなる。(図4) |
成果の活用面・留意点 | 1. 搾乳牛の飼養管理に活用できる。 2. 乳量とMUN値の関係においては、乳量が20kg/日以上50kg/日未満の中程度の乳量で乳蛋白率が高くなるとMUN値は低くなる傾向がみられたが、50kg/日以上の高い乳量や20kg/日未満の低い乳量ではこの傾向は見られなかったため、高乳量と低乳量時の飼料給与を注意する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 環境負荷低減 経営管理 飼育技術 乳牛 繁殖性改善 |