タイトル | ダイズイソフラボン濃度を調節できる豆腐の製造方法 |
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担当機関 | 富山食研 |
研究期間 | 2004~2006 |
研究担当者 |
鹿島真樹 中川義久 平野 寛 |
発行年度 | 2007 |
要約 | 豆腐製造工程で、豆乳を一旦凍結後解凍時にろ布により分離した残渣とドリップをそれぞれ利用して豆腐を作ることにより、ダイズイソフラボンの濃度をコントロールできる豆腐製造技術 |
キーワード | 凍結、解凍、カルシウム凝固性、ダイズイソフラボン、豆腐製造方法 |
背景・ねらい | 近年、イソフラボン、オリゴ糖などダイズの成分に関する研究が進み、その健康機能性が明確にされてきている。しかし、伝統食品である豆腐の豆乳製造工程は、未だにダイズタンパク質の抽出効率のみに注目し、行われているため、それ以外の機能性成分が十分に活用されていない。そこで本研究では、豆乳製造方法を改良し、豆乳を一旦凍結後解凍時にろ布により残渣とドリップに分け、それぞれ利用することによりダイズイソフラボンの濃度をコントロールできる豆腐製造技術を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 豆乳を凍結し冷凍変性によりダイズタンパク質を不溶化させ、ろ布上で解凍することで、ほとんどのタンパク質を含む残渣とイソフラボン、オリゴ糖、ミネラルなど水溶性成分を含むドリップに分離する(図1)。 2. 不溶化したタンパク質を含む残渣に水を加え、90℃以上6分間の加熱によりタンパク質を可溶化するとともにゲル化能を回復させ、低イソフラボン豆腐の製造に供する(図2左)。この時、ミネラルなどの水溶性成分の流出により豆腐のカルシウム凝固性が変化するので、加熱前に最終濃度が25mMになるようにNaClを加える(図3)。 3. タンパク質をほとんど含まないドリップを濃縮後ダイズ浸漬液に用い豆腐を製造することで高イソフラボン豆腐の製造が可能となる(図2右)。この時、豆腐製造時に加える凝固剤の量を1.2倍に増やす必要がある。 4. 以上の方法により、ダイズイソフラボン濃度を15~46mg/100g(通常26 mg/100g)の範囲に調製した豆腐製造が可能である(図4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本成果は、豆腐製造業者を対象としており、県内企業に対する成果の普及は技術講習会・技術指導により行う。また、実際の豆腐製造は各企業独自の方法で行われている場合が多いので、実用化に際しては、本成果を現場に適した形で個々に指導する。 2. 本成果は、水溶性の大豆の難消化性成分や不快味成分の除去技術としても使用可能である。 3. 冷凍した豆乳の加熱によるゲル化能回復方法は、特許出願中である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 機能性 機能性成分 大豆 |