ブドウの輸出に向けた機能性資材及び穂軸給水処理による鮮度保持技術の開発

タイトル ブドウの輸出に向けた機能性資材及び穂軸給水処理による鮮度保持技術の開発
担当機関 栃木農試
研究期間 2005~2007
研究担当者 髙橋建夫
岡本春明
金原啓一
小林正明
須藤貴子
発行年度 2008
要約 ブドウ「巨峰」をMAフィルムで包装し10℃で貯蔵する場合、酸素透過度11,100㏄/㎡・24h・atmが適している。船舶でシンガポールへ輸出する場合、穂軸給水処理し防湿段ボールに入れた果実は、穂軸の褐変が抑制され外観品質が保たれ、食味も良好である。
キーワード ブドウ、輸出、鮮度保持、機能性資材、穂軸給水処理
背景・ねらい 栃木県では2004年度から農産物の輸出促進に向けた取り組みが開始され、ナシ「にっこり」、イチゴ「とちおとめ」を始めに、2005年6月にはブドウ「巨峰」を香港でテスト販売した。2007年度には香港、タイ、シンガポール、UAEへ「にっこり」8,320kg、「巨峰」1,125kgが輸出され年々増加している。しかし、ブドウでは輸送時の軸枯れ等の品質低下が問題となっているため、機能性資材であるMAフィルムや防湿段ボールと穂軸給水処理を組み合わせた有効な鮮度保持技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. ブドウ「巨峰」を収穫後MAフィルムで包装し10℃で貯蔵すると、酸素透過度11,100㏄/m2 ・ 24h ・ atmのMAフィルムで包装後21日まで、販売可能な食味を維持することができる(表1)。
  2. ブドウ「巨峰」を貯蔵温度10℃で貯蔵する場合、穂軸給水処理を行い防湿段ボールに入れることにより、収穫21日後まで穂軸の褐変を抑えることができる(図1)。
  3. ブドウの軸枯れ防止を目的とした穂軸給水処理は、調味料入れに使用されるプラスチックビンを使用し、中に蒸留水を入れる。漏水防止のため、ふたと容器の間にゴムシートをはさみ、ふた及びゴムシートに穴を開けてから穂軸に装着する。貯蔵温度は低いほうが効果が高い。
  4. 船舶で約2週間かけてシンガポールへ輸出する場合、いずれの処理も食味に差はみられないが、給水処理をせず普通段ボールに入れた果実は穂軸の褐変が著しいのに対し、穂軸給水処理し防湿段ボールに入れた果実では、穂軸の褐変が抑制され、果実外観品質が優れる(図2、表2)。
成果の活用面・留意点
  1. MAフィルムは、住友ベークライト株式会社との共同研究により、「巨峰系ブドウの鮮度保持用包装袋及び巨峰系ブドウの保存方法」として特許出願中である。使用については、現在のところ国内限定となっている。
図表1 218840-1.jpg
図表2 218840-2.gif
図表3 218840-3.gif
図表4 218840-4.gif
カテゴリ いちご 機能性 鮮度保持技術 ぶどう 輸出 輸送 良食味

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