植物性乳酸菌FPL1を用いた米ヨーグルトタイプ発酵食品の開発

タイトル 植物性乳酸菌FPL1を用いた米ヨーグルトタイプ発酵食品の開発
担当機関 福井農試
研究期間 2006~2008
研究担当者 小林恭一
駒野小百合
佐藤有一
発行年度 2008
要約 胃酸耐性・胆汁耐性に優れ、米や米糖化物での生育が良好でかつ発酵物の風味・嗜好性が優れていた乳酸菌 Lactobacillus sp. FPL1を選抜し、米の乳酸発酵食品を開発した。
キーワード 米、加工、乳酸菌、発酵食品
背景・ねらい 近年、米の需要が減退し、米の用途拡大が求められている。また、消費者の健康志向は高まり、乳酸菌の持つ機能性は注目されてきている。  そこで、米発酵に適し且つ発酵物の特性(乳酸菌株の生残性、風味、嗜好性)の良好な乳酸菌株を選定し、米を原料とした乳酸発酵食品の開発をめざした。
成果の内容・特徴
  1. 選抜したFPL1株は、人工胃液中(100mM HCL/KCl buffer pH2.0 with 0.04% Pepsin, 37℃, 2hr)における生菌数の低下はなく、また、0.4%胆汁末含有GYPブロスでも生育可能で、胃酸・胆汁耐性が共に高い(図1、図2)。
     さらに米や米糖化物での生育が良好で、発酵後のにおい・味が優れている(表1)。
  2. この乳酸菌は15~40℃で生育し、米糖化物においても、本菌株の至適温度である30℃で最も菌数増加がみられ、8時間で108CFU/g 以上となり、24時間後には109CFU/gに達する。なお、20、40℃でも24時間以内に108CFU/g以上と充分な菌数増加が確認され、20℃~40℃での発酵が可能である(図3)。
  3. この乳酸菌を使った米の発酵は、米に麹を加えて糖化させた甘酒を加熱殺菌して、乳酸菌を添加する方法(図4)が適しており、再現よく乳酸発酵を行うことができる。
成果の活用面・留意点
  1. 米に麹を加えて糖化させた甘酒や、米粉に最小限の糖類を添加しただけの原材料で乳酸発酵を行うことができ、効率的に米の乳酸発酵飲食品の製造を行うことができる。なお、米の糖化は麹以外にもアミラーゼなどの酵素剤を使用することも可能で、この場合も、米のみの原料で乳酸発酵を行うことができる。
  2. 本技術は福井県より特許出願中である。
図表1 218905-1.gif
図表2 218905-2.gif
図表3 218905-3.gif
図表4 218905-4.gif
図表5 218905-5.gif
カテゴリ 加工 機能性

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