高アミロースの食品加工向け水稲新品種「こしのめんじまん」

タイトル 高アミロースの食品加工向け水稲新品種「こしのめんじまん」
担当機関 新潟農総研
研究期間 1989~2005
研究担当者 阿部聖一
金田智
重山博信
小林和幸
松井崇晃
石崎和彦
平尾賢一
発行年度 2008
要約 「こしのめんじまん」は、新潟県では晩生の偏穂重型に属する粳種である。米粒のアミロース含有率が従来品種に比べ高い特徴をもつことから、食品加工を主たる用途として、新潟県内を対象に普及を図る。
キーワード 高アミロース、こしのめんじまん、食品加工
背景・ねらい 食の多様化にともない、米においても多様な特性を備えた品種の開発が求められている。また、米の生産拡大に向け、新たな用途に利用可能な品種の普及が待望されている。そこで、新潟県内の食品業界の活性化に寄与することを目的に、新規の食品原材料として利用可能な高アミロース品種の開発を図る。
成果の内容・特徴
  1. 「こしのめんじまん」は、新潟県農業試験場(現農業総合研究所作物研究センター)において、1996年8月に「ホシユタカ」を母親、「ゆきの精」を父親に用いて人工交配し、1998年に雑種第2代で個体選抜を行い、以後系統育種法により選抜固定を図り育成した品種である。2002年から生産力検定及び特性検定を行い、2003年には「新潟79号」の系統名を付し奨励品種決定予備調査に供試、2006年12月にその特性を確認して育成を完了した新形質米品種である。
  2. 出穂期及び成熟期は、「コシヒカリ」よりも14日程度遅い “晩生” “偏穂重型” に属する粳種である。稈及び穂長は「コシヒカリ」よりも短く、穂数は少ないが、地上部の乾物重は大きい。稀に短い芒が生じ、芒の色は “黄白” 、脱粒性は “難” である。稈は太く剛稈で耐倒伏性は “強” 、穂発芽性は “やや易” 、いもち病の圃場抵抗性は、葉いもちは “弱” 、穂いもちは “やや弱” 、真性抵抗性遺伝子型は “Pia, i, k ” と推定される。収量性は「コシヒカリ」より高く、米粒がやや長く玄米千粒重は “小” 、品質は「コシヒカリ」より優れ、玄米のタンパク質含有率は「コシヒカリ」並、白米の見かけのアミロース含有率は「コシヒカリ」よりも高く28%程度である(表1)。
  3. 移植時期及び窒素施肥量を変えて栽培しても、加工性の指標となるデンプンの糊化特性に影響がなく、倒伏の発生もないことから、収量性を優先した栽培が可能である。5月中旬の移植、基肥窒素量0.6kg/a、出穂10日前の穂肥窒素量0.3kg/aの条件では、53.6kg/aの精玄米収量が期待できる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 契約栽培を前提に食品加工を主たる用途として、新潟県内を対象に普及を図る。
  2. 種子は、新形質米原種に関する当面の取り扱い(新潟県農産園芸課)に従い入手する。
  3. 玄米の調製は、1.6mmの篩を使用する。
図表1 218953-1.gif
図表2 218953-2.gif
カテゴリ 育種 いもち病 加工 新品種 水稲 生産拡大 施肥 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種

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