タイトル |
なたね油粕を用いた水稲有機育苗技術 |
担当機関 |
滋賀県農業総合センター |
研究期間 |
1999~2001 |
研究担当者 |
高田 勇
中井 譲
中橋富久
藤井吉隆
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発行年度 |
2001 |
要約 |
日平均気温が14℃になる頃に、粉状のなたね油粕を、箱当たり45g混和した床土に播種し、加温出芽後に、ペレット状のものを、箱当たり60g施用した苗床で、苗代ビニルトンネル育苗すると、播種35日後まで高い充実度の苗を確保できる。
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キーワード |
水稲、なたね油粕、苗代ビニルトンネル育苗
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背景・ねらい |
現在、水稲の有機栽培技術を確立することが求められており、化学肥料や農薬を使用しない技術体系を開発することが緊急の課題である。このため、育苗時になたね油粕を用いた技術を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 塩水選(比重1.13)で選別した供試籾を、温湯浸法により種子消毒し、7日間(積算で90~100℃)浸種後、鳩胸状態まで催芽し、日平均気温が14℃になる4月第4半旬に、箱当たり乾籾重量で100gを育苗箱に播種する。これを育苗器(30℃48時間積み重ね)で出芽させてから、苗床で緑化するまで低発泡シートで被覆し、穴あけビニルトンネル育苗を行う。また、育苗用土は、市販の「びわこ1号」を用い、肥料は、箱内床土に混和するとともに、苗床に施用する(図1、表1)。
- 化成肥料の代わりになたね油粕を、床土と苗床に、それぞれ箱当たり36~45g、48~60gを施用して育苗すると、播種22~27日後には、化成肥料を用いた慣行の育苗と、ほぼ同等の苗質が得られる(表2、3)。
- 化成肥料を用いた慣行の育苗では、播種35日後には徒長気味となるが、なたね油粕を箱当たり45g混和し、苗床に60g施用して育苗すると、播種35日後でも充実した苗が得られる(表3)。
- ペレット状のなたね油粕を、床土に箱当たり45gを混和し、育苗器で出芽させると、肥料の混合むらによる出芽障害が発生することがあるが、粉状のなたね油粕では見られない。このため、床土には、粉状のなたね油粕を用いる(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- JAS規格(日本農林規格)の有機農産物に適合する、水稲の育苗技術として活用できる。
- 苗床に施肥する場合、ペレット状のなたね油粕のほうが、粉状のものより、苗床へ均一に散布できる。
- なたね油粕を用いた育苗で、4月第3半旬以前に播種した場合、十分な生育量を確保できない危険がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
有機栽培
肥料
病害虫
有機農産物
育苗
栽培技術
種子消毒
水稲
施肥
なたね
農薬
播種
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