タイトル |
在来天敵を利用した露地オクラの害虫防除 |
担当機関 |
高知農技セ |
研究期間 |
1997~1999 |
研究担当者 |
下八川裕司
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発行年度 |
2001 |
要約 |
トンネル除去後にモスピラン水溶剤を散布し、その後は天敵類に影響の少ない殺虫剤の散布、残渣除去と捕殺を組み合わせることでワタアブラムシやハスモンヨトウの密度を低く抑えることができる。
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キーワード |
天敵、物理的防除・総合的害虫管理
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背景・ねらい |
露地オクラは本県の重要な特産野菜の一つになっている。しかし、オクラはマイナー作物であり適用登録された殺虫剤が少ないため、重要害虫であるハスモンヨトウやオオタバコガ、アブラムシ類の防除に苦慮している。また、一方で、天敵や物理的あるいは耕種的な防除対策を積極的に活用した環境保全型農業への取り組みが求められている。そこで、露地オクラに発生する害虫の天敵類に対する殺虫剤の影響について明らかにするとともに、在来の天敵類を活用した害虫防除技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- トンネル除去後にアセタミプリド水溶剤を散布し、その後、ハスモンヨトウやオオタバコガの防除に天敵類に影響の少ないBT水和剤などを散布し、摘葉等の残渣除去と捕殺を組み合わせることでワタアブラムシやハスモンヨトウの密度を栽培終了まで低く抑えることができる。また、殺虫剤の散布回数を低減することができる(図1、2、表1)。
- アブラムシ類の天敵としてはテントウムシ類、ヒメハナカメムシ類の働きが大きい。これらの天敵の密度はアブラムシ類の発生から少し遅れて高くなる。また、ハスモンヨトウの天敵であるクモ類の密度は、8月下旬以降高くなる(図1)。
- 摘葉等の残渣を圃場外に持ち出すことにより、ワタアブラムシとハスモンヨトウの密度を低下させることができる。一方、ヒメハナカメムシ類やクモ類に対する残渣の持ち出しの影響は小さい(表省略)。
- BT水和剤やクロルフェナピル水和剤はヒメハナカメムシ類、クモ類などの天敵に対してほとんど影響が見られない(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 天敵類に対して影響の大きい有機リン系、合成ピレスロイド系の殺虫剤の使用は極力避ける。
- ハスモンヨトウ、オオタバコガの殺虫剤に対する感受性は、中齢以降になると低下するので若齢幼虫期の防除に努める。
- 摘葉および残渣除去は6月上旬より週に1~2回の割合で行った試験である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
オクラ
害虫
カメムシ
防除
わた
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