タイトル |
アブラムシ類に対する遅効性薬剤の検定方法 |
担当機関 |
島根県農業試験場 |
研究期間 |
1990~1995 |
研究担当者 |
奈良井祐隆
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発行年度 |
2001 |
要約 |
餌植物を寒天(2%)で固定して,温度20±1℃,関係湿度79%の条件で飼育密度を1容器当りワタアブラムシで10頭程度,モモアカアブラムシで8頭程度として,1~2日毎に子虫を取り除き,3~4日毎に餌を交換すると,1週間以上葉上での飼育が可能になり,これによりアブラムシ類に対する遅効性薬剤の検定を実施できる。
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キーワード |
アブラムシ類、遅効性薬剤、薬剤感受性、検定方法
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背景・ねらい |
アブラムシ類に対する薬剤感受性検定方法には,技術的な習得を要する局所施用法や比較的簡便な虫体浸漬法などがある。虫体浸漬法を代表する浜(1987)の検定方法は餌を与える場合には薬剤処理後24時間,餌を与えない場合には薬剤処理後2~3時間の死亡率でアブラムシ類の感受性を評価しており,即効性の薬剤を評価するには優れた方法である。しかし,薬剤の効果発現に数日かかるような遅効性の薬剤を評価することは困難である。そこで,浜の方法を改良し,遅効性の薬剤を評価する方法を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 本検定法では餌植物を寒天(2%)で固定して餌の日持ちを向上させ(図1),飼育密度を1容器当りワタアブラムシで10頭程度,モモアカアブラムシで8頭程度として,1~2日毎に子虫を取り除き,3~4日毎に餌を交換すると,1週間以上葉上での飼育が可能である(表1)。なお,検定条件は温度20±1℃,関係湿度79%である。
- 薬剤感受性検定では無処理区の死虫率が高い場合(およそ20%以上)には,そのデータは棄却される(浜1987)。本検定法では,無処理区の死虫率は虫体浸漬の場合,処理後8日目まで,葉片散布の場合,処理後10日目でも20%以下である(表1)。
- ピメトロジン水和剤の場合,虫体浸漬では処理4日以降に,葉片散布では処理5日以降に薬剤の評価を行なうのが適当と考えられる(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 遅効性薬剤の感受性をモニタリングできる。
- 寒天が熱い内に餌植物葉片を固定すると葉片が変色し,餌の質が低下するので,寒天の温度が下がってから固定する。
- 子虫を筆や吸虫管で除去する労力は大きいので,小型ポンプ等を改良した吸虫器を利用すると便利である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
モニタリング
薬剤
わた
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