| タイトル | 小麦粉粘度特性突然変異系統(K107Afpp4)の作出とその胚乳澱粉の特性 |
|---|---|
| 担当機関 | (独)農業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター |
| 研究期間 | 2001~2005 |
| 研究担当者 |
安井 健 堀野 俊郎 野方 洋一 |
| 発行年度 | 2002 |
| 要約 | ワキシー(Wx)蛋白質を二重に欠失したウルチ性小麦系統(関東107号)を突然変異原で処理し、小麦粉粘度特性の変異を指標としてスクリーニングを行ない、低アミロース系統を作出した。この突然変異系統の小麦粉は、低い温度域で粘度が上昇する。 |
| キーワード | アミロース含量、小麦、小麦粉、突然変異、粘度特性、胚乳澱粉 |
| 背景・ねらい | 小麦穀粒の主要成分である澱粉の特性は、小麦の品質に関与する重要な特性の一つである。近年、モチ性系統や高アミロース系統が作出されて小麦澱粉のアミロース含量の変異幅が拡大し、基礎および応用分野の研究が進んでいる。一方、アミロース含量が数%から10数%の低アミロース系統は、モチ性系統とは異なる澱粉特性をもっていることから、新たな分野への利用が期待できる。そこでワキシー(Wx)蛋白質を二重に欠失したウルチ性系統に突然変異を誘発し、小麦粉粘度特性の変異を指標としてスクリーニングを行ない、突然変異系統を作出する。次いでその系統の胚乳澱粉の特性を解明する。 |
| 成果の内容・特徴 | 1. 小麦穀粒を突然変異原で処理することにより、小麦粉粘度特性が変化した突然変異体を作出できる。すなわち,Wx蛋白質を二重に欠失したウルチ性原系統(関東107号)の種子をメタンスルホン酸エチル(EMS)で処理し、そのM2世代1,267個体に稔実した穀粒を試料としてスクリーニングし、小麦粉粘度特性の変異体を見出した。この変異体の特徴は次世代に遺伝したことから、突然変異によるものと判定し、K107Afpp4と命名した。この突然変異系統の千粒重や澱粉含量は原系統と同等である(表1)。 2. この突然変異系統の小麦粉は低い温度域で粘度が上昇する。すなわち、ラピッド・ビスコ・アナライザによる小麦粉ペーストの粘度測定において、原系統と比べ、低い温度域における粘度が大きく、ピーク時間が短い(図1)。 3. この突然変異系統の胚乳澱粉は低アミロース性である。すなわち、澱粉・ヨウ素複合体の極大吸収波長(λmax)、青価、コンカナバリンA(ConA)法および電流滴定法によるアミロース含量が示すように、アミロース含量が、原系統と比べ、約6割に低下している(表1)。また、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定した澱粉の分子量分布が示すように、アミロースが主体の低分子量画分(画分番号の大きなもの)の割合が少ない(図2)。さらに、示差走査熱量測定法による糊化開始温度、糊化ピーク温度および糊化終了温度が高い(表1)。 |
| 成果の活用面・留意点 | 1. この突然変異体は、胚乳澱粉のアミロース含量と胚乳中の他の化学成分組成や小麦粉の加工特性との関連を解明する有用な研究材料となる。 2. 現在、遺伝分析と準同質遺伝子系統の作出を行なっている。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| カテゴリ | 加工特性 小麦 |
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