ELISA法によるミラフィオリレタスウイルスの検出

タイトル ELISA法によるミラフィオリレタスウイルスの検出
担当機関 (独)農業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究期間 2000~2002
研究担当者 石川浩一
野見山孝司
笹谷孝英
河野敏郎(日植防)
発行年度 2002
要約 作製した特異性の高い抗血清を用いたELISA法によって、レタスビッグベイン病に関わるミラフィオリレタスウイルスを高感度で検出できる。また、迅速・簡易ELISA法を適用することにより検定を3.5時間で終えることが可能である。
キーワード ミラフィオリレタスウイルス、レタス、血清診断
背景・ねらい レタスビッグベイン病に感染したレタスからはレタスビッグベインウイルス(LBVV)とミラフィオリレタスウイルス(MiLV)が検出されるが、本病の典型的病徴の発現にはMiLVの感染が必要不可欠である。しかしながら、本ウイルスは近年発見されたウイルスでありその抗血清がなく、抵抗性検定等の場面では時間のかかる病徴による判定が行われている。
そこで、特異性の高い抗血清を作製し、多試料検定が可能なELISA法によるMiLV検出を確立するとともに、検定操作の簡便化及び所要時間の短縮化を図る。
成果の内容・特徴 1.
作製した抗血清はウエスタンブロットで健全レタス及びLBVV単独感染レタスの磨砕液とは全く反応せず、MiLVが感染しているレタス磨砕液とだけ反応する(図1)。
2.
試料磨砕緩衝液にアスコルビン酸ナトリウム(50mM)を添加することにより、健全レタスでの非特異反応を抑えることができる(表1)。
3.
試料添加後の静置温度を30℃にすることにより検出感度は高くなる(表1)。
4.
通常のELISA検定は、試料添加(30℃、2時間静置)、酵素標識抗体(30℃、2時間静置)、基質添加(室温、1時間静置)で行い、吸光値(A405)が0.1以上を陽性と判断する。この条件での磨砕液からの検出限界は800倍希釈であり、健全及びLBVV単独感染レタスとは全く反応しない(図2)。純化MiLVでの検出限界は50ng/mlである。
5.
作製した抗血清は迅速・簡易ELISA法に適用できる。迅速・簡易ELISA法は、試料(約1cm×1cm)をプレートのウェルに入れ、塩化ビニル棒等でウェルを傷つけないように軽く磨砕し、試料を除去せずに酵素標識抗体を添加して30℃、2時間静置する(図3)。このとき酵素標識抗体の希釈液にはアスコルビン酸ナトリウム(50mM)を加えたPBSTを使用する。この条件での吸光値は50倍希釈磨砕液(w/v)とほぼ同等の数値を示し、検定操作は3.5時間で終了する。
成果の活用面・留意点 1.
本法、特に迅速・簡易ELISA法を行うことにより、短時間で多試料の検定が可能となり、品種の抵抗性に関する選抜に有効である。
2.
迅速・簡易ELISA法はウイルス濃度と発色程度が相関しない場合があり、定量に使用することはできない。
3.
MiLV診断用試薬として、コーティング抗体と酵素標識抗体をセットで日本植物防疫協会から販売している。
図表1 219274-1.gif
図表2 219274-2.gif
図表3 219274-3.gif
図表4 219274-4.gif
カテゴリ 抵抗性 抵抗性検定 品種 レタス

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