ハクサイ炭疽病のセル成型苗における発生と耕種的及び薬剤防除

タイトル ハクサイ炭疽病のセル成型苗における発生と耕種的及び薬剤防除
担当機関 奈良県農業技術センター
研究期間 2002~2002
研究担当者 中野智彦
発行年度 2002
要約 高温時に育苗するハクサイのセル成形苗に炭疽病が発生する。これは底面給水ならびに薬剤散布によって発病を抑えることができる。発病に品種間差があるが品種選択だけで被害を回避することは困難である。
キーワード ハクサイ、セル成型苗、炭疽病、底面給水
背景・ねらい 2000年8月、本県においてハクサイのセル成型苗に斑点が生じ、やがて枯死する激しい症状が見られた。病斑部分より炭疽病菌とみられる糸状菌が分離されハクサイ炭疽病(Colletotrichum higginsianum)であると判明した。本病のセル成型苗での発生は報告されておらず、防除対策を確立するため発病に関わる灌水の影響、薬剤による防除効果および発病の品種間差異を検討する。
成果の内容・特徴 1.
ミスト灌水で管理すると罹病苗から1m離れた苗に伝染するが、底面給水では30cmの距離でも全く伝染しない(表1)。罹病苗を含んだセルトレイを底面給水で管理するとミスト灌水の半分程度の発病度に抑えられる(表2)。伝染と病勢の進展には水滴の飛散が大きく関与している。
2.
感染前にチオファネートメチル水和剤、TPN水和剤を散布すると、いずれも防除価99の高い防除効果が得られる。発病後の散布では防除価が50以下であり防除効果は不十分である(表2)。
3.
品種による発病程度は発病株率70%以上・発病度40以上の2品種と、発病株率50~60%・発病度25~31のやや発病程度の低い4品種の2群に分かれる(表3)。ただし発病が少ない品種でも半数以上の株が罹病するので、本供試品種の範囲では品種選択だけで被害を回避することは困難である。
4.
以上から、炭疽病の防除のためにはチオファネートメチル水和剤等の予防散布と、底面給水を行うことが有効である。
成果の活用面・留意点 1.
発生後は薬剤の効果が不十分であるので、発生したセルトレイごと処分した上で、他のセル成型苗に薬剤を予防散布する必要がある。ただし高温期の幼苗に対する薬剤散布は生育抑制の恐れがあるので注意する。
図表1 219353-1.gif
図表2 219353-2.gif
図表3 219353-3.gif
カテゴリ 病害虫 育苗 炭疽病 はくさい 品種 防除 薬剤

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