タイトル | 紫黒米「むらさきの舞」色素の特性評価 |
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担当機関 | 兵庫農総セ |
研究期間 | 2001~2004 |
研究担当者 |
小河拓也博 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 「むらさきの舞」のアントシアニン色素の主成分はcyanidin-3-glucosideであり、60%程度のエタノールでよく抽出される。5℃以下であれば6か月以上の保存が可能である。 |
キーワード | 紫黒米、アントシアニン、cyanidin-3-glucoside、60%エタノール |
背景・ねらい | 兵庫県では農林水産技術総合センター酒米試験地で紫黒米品種「むらさきの舞」を育成した。紫黒米の色素の主成分はアントシアニンであり、高い抗酸化性が知られている。「むらさきの舞」は紫黒米品種中でもアントシアニン色素を多く含む品種であり、加工食品としての利用が期待されている。そのためには紫黒米色素の特性を把握し、その特徴に応じた利用法を開発する必要がある。そこで、「むらさきの舞」のアントシアニン色素の特性を調査する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 「むらさきの舞」玄米より抽出したアントシアニンの主成分はcyanidin-3-glucosideであり、他の成分は極めて少ない(図1)。 2. 色素の抽出効率はpHが低いほどよく、pH3.0の抽出液(McIlvaine緩衝液)はpH4.0の3倍程度の効率がある。また、エタノール抽出(pH3.5)においては濃度60%の抽出効率が良い(図2)。 3. 色素抽出液(エタノール60%:pH3.5)はFe、Sn、Alイオン等の金属イオンの存在によって色調に変化が起こり、イオンの種類、濃度、時間の経過によってその変化の様相が異なる(表1)。 4. 色素抽出液(エタノール60%、pH3.5)の加熱における変化は比較的小さく、1時間加熱における色素の残存率は60℃で97%、80℃で95%、100℃で90%である。また、エタノール色素抽出液の低温での貯蔵では色素の退色は小さいが、30℃、2か月では30%程度まで低下する(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 玄米中での色調及び色価は安定しており、30℃・12か月貯蔵後でも貯蔵前と比較し変化はみられず、一年を通して供給が可能である。 2. 色素の抽出は60%アルコールで行うと効率がよい。 3. 抽出後の色素は退色しやすいため、抽出後は低温保存が必要である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 加工 酒造好適米 品種 |