ソバ粉およびスプラウトの機能性評価

タイトル ソバ粉およびスプラウトの機能性評価
担当機関 しまねの味開発指導セ
研究期間 1998~2001
研究担当者 松崎 一
仲谷敦志
鶴永陽子
発行年度 2002
要約 ソバ粉は強いアンジオテンシン変換酵素活性阻害能を有しており、その阻害能は170℃ 10分の乾熱乾燥に安定である。また、ソバのラジカル捕捉活性はスプラウト、殻、粉の順に強く、産地や品種間の差は認められない。
キーワード ソバ、スプラウト、芽物野菜、ACE活性阻害能、ラジカル捕捉活性
背景・ねらい 県内のソバ栽培は、転作田等を利用した栽培などで、年々生産量が増加している。島根県の「出雲ソバ」は、玄ソバをそのまま石臼でひく製造方法のため、ソバ殻や種皮部(アリューロン層)を多く含有する黒いソバとなっている。
そこで、製粉法が独特な出雲ソバの優位性の有無を確認するため、県内で栽培されている品種と、市場流通しているソバについて血圧上昇関連酵素であるアンジオテンシン変換酵素(ACE)活性阻害能、DPPH(1,1-dipheniyl-2-picrylhydrazyl)ラジカル捕捉活性を検討する。また、機能性野菜として注目を浴びているソバスプラウト(芽物野菜)についても併せて明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
ソバ粉および殻のACE活性阻害能は、粉のみに認められる。また、品種,栽培地でソバ粉のACE活性阻害能に大きな差異は認められない(表1)。
2.
ソバ粉を乾熱乾燥した場合、135℃ 30分、170℃ 10分、200℃5分の加熱では大きなACE活性阻害能の低下は見られないが、170℃
30分、200℃ 10分では30%以下に低下する。(表2)。
3.
安定なラジカルDPPHを用い、ラジカル捕捉活性を測定した結果、殻の活性は粉の2~3倍程度であり、品種,栽培地間での大差は認められない(図1)。
4.
ソバスプラウトのラジカル捕捉活性は、品種間での差は認められず、その値はソバ粉の10倍以上で、トマトやニンジン等より活性が強い。(図2)。
成果の活用面・留意点 1.
ソバ粉は全ての品種において強いACE活性阻害能を有しており、高血圧予防に寄与する農産物として位置づけることができる。また、その阻害能は、比較的熱に強く、調理加工などにも幅広く活用できるが、過度の加熱はさけた方がよい。
2.
「出雲ソバ」は殻部が含まれているため、一般のソバよりラジカル捕捉活性が強く、機能性の高い地域食品として消費拡大に結びつけることが出来る。
3.
本試験で用いた評価系は試験管レベルの評価であり、人での効果は動物実験や、臨床試験を行う必要がある。
図表1 219421-1.gif
図表2 219421-2.gif
図表3 219421-3.gif
図表4 219421-4.gif
カテゴリ 加工 乾燥 機能性 消費拡大 そば トマト にんじん 品種

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