軟弱野菜栽培施設内の熱水土壌処理による雑草の防除

タイトル 軟弱野菜栽培施設内の熱水土壌処理による雑草の防除
担当機関 兵庫農総セ
研究期間 2001~2005
研究担当者 竹川昌宏
大塩哲視
発行年度 2002
要約 土壌の熱水処理において、熱水温度90℃処理では20cmの深さまでスベリヒユ、メヒシバ、スズメノカタビラ、ハコベは死滅し、80℃処理ではメヒシバ、スズメノカタビラ、ハコベは表面5~10cmまで死滅する。処理後のコマツナの生育は良好である。
キーワード 土壌の熱水処理、熱水温度、雑草防除、コマツナ
背景・ねらい 農薬にたよらない雑草防除法として、土壌病害防除法として利用されている土壌の熱水処理の効果を明らかにする。土壌地表下の深さ別のメヒシバ、スベリヒユ、スズメノカタビラ、ハコベ等の雑草種子について、80℃と90℃の熱水処理の効果の違いを検討する。また、処理後、コマツナを栽培した場合の、雑草の発生とコマツナの生育を検討する。
成果の内容・特徴 1.
土壌の熱水処理は、土壌をよく耕起・砕土して、土壌表面を平らにならしてから、土壌表面に30~40cm間隔で耐熱性の散水チューブを敷設し、熱水土壌消毒機から80~90℃の熱水を1m2当たり100~150Lになるよう注入する。処理中は散水チューブ表面をプラスチックフィルム等で覆い、さらにハウス内を密閉する等、放熱を抑制する。
2.
土壌の熱水処理による20cmの深さまでの土壌の温度は、90℃処理では60℃以上、80℃処理では、50℃以上に上昇する(表1)。
3.
雑草種子を土壌中に埋め込んで処理した場合、90℃処理では20cmの深さまでスベリヒユ、メヒシバ、スズメノカタビラ、ハコベは発芽能力が失われる。80℃処理ではメヒシバ、スズメノカタビラ、ハコベは表面5~10cmまで発芽能力が失われる。処理後の実際の栽培では、80℃処理で雑草量の減少が認められる(表2、3)。
4.
土壌の熱水処理後のコマツナの生育は、無処理区よりも良好である(表4)。
成果の活用面・留意点 1.
熱水処理により、土壌中のマンガンが可給化しやすいため、マンガンを多く含む土壌では、過剰害が生じる可能性がある。
2.
土壌の透水性が悪い場合や土壌が湿っている場合には土壌処理効果が低い。
図表1 219426-1.gif
図表2 219426-2.gif
図表3 219426-3.gif
図表4 219426-4.gif
カテゴリ 病害虫 こまつな 雑草 土壌消毒 土壌処理 農薬 防除 野菜栽培

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