クリの超低樹高整枝法による整枝・せん定作業の平易、軽労化

タイトル クリの超低樹高整枝法による整枝・せん定作業の平易、軽労化
担当機関 兵庫農総セ
研究期間 1999~2002
研究担当者 水田泰徳
堀本宗清
福井謙一郎
濱田憲一
荒木斉
発行年度 2002
要約 超低樹高化(せん定後の樹高2.5m)によって、クリの整枝・せん定作業が平易となるだけでなく、地上から実施可能となるため、所要時間が20%減少し、軽労化が図れる。
キーワード クリ、樹高、せん定、作業性
背景・ねらい クリの低樹高整枝栽培(せん定後の樹高3.5m)は、受光態勢を良好にすることで葉量が増加し、高収量と高品質が確保できる。しかし、整枝・せん定作業は脚立や高枝切り鋏を用い、収穫、調製作業に次いで労力を要する(年間労働時間の約20%)ため、高齢化など労働力の脆弱化が進んでいる産地からは、より平易で省力、軽労な整枝・せん定法の確立が望まれている。
成果の内容・特徴 1.
超低樹高栽培(品種「筑波」)における整枝・せん定は、次の手順に従うことにより平易になる。(1)樹高制限:地上からの高さが2.5m以上となる結果母枝は基部から間引く、(2)樹冠内の側枝の間引き:近接する枝、下垂枝は側枝単位で間引く、(3)仕上げ:結果母枝、衰弱枝を間引く、樹冠占有面積当たりの結果母枝本数は5本/m程度が適当(データ省略)である(図1)。
2.
10~13年生におけるせん定時間は、対照区(低樹高整枝)の約15時間に対して、超低樹高区は12時間程度で20%少ない(図2)。また、作業時の心拍数増加率は対照区の45%に対し、超低樹高整枝では33%と軽労化が図れる(データ省略)。
3.
生育期の樹高は、両区とも10年生時までは増加し、その後大きな変化はないが、対照区と比較して超低樹高区では調査期間中終始0.5m程度低い。また、両区の樹冠面積は13年生時まで概ね増加傾向を示すが、試験区間に明らかな傾向はみられない(図3)。なお、せん定前後の結果母枝数はいずれも超低樹高区が若干少ないが、両区のせん定前後の結果母枝基部径には差はみられない(データ省略)。
4.
10a当たりの収量は、両区ともクリイガアブラムシの被害があった10年生時を除き、13年生時まで順調に増加する。7~13年生時の累積収量は、超低樹高区は対照区の87%である。また、2L以上の果実割合は対照区に対して超低樹高区はわずかに低いが、両区とも平均で85%程度とかなり高い(図4)。
成果の活用面・留意点 1.
本整枝法における栽植間隔は、慣行の低樹高整枝法と同様に4m×4m(62.5本/10a)を基準とする。5~7年生時までは主幹と2本の主枝を育成し、樹高が2.5mを超えた時から樹高制限と心抜きを行う。また、隣接樹と樹冠が接し始めると間伐予定樹の縮間伐を始める。
2.
樹勢が強い「銀寄」等における生育や収量、品質については検討を要する。
図表1 219495-1.gif
図表2 219495-2.gif
図表3 219495-3.gif
図表4 219495-4.gif
カテゴリ くり 軽労化 低樹高 品種

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