| タイトル | BSE検査開始後のウシ卵巣の最適な保存温度 |
|---|---|
| 担当機関 | 広島畜技セ |
| 研究期間 | 2002~2004 |
| 研究担当者 |
尾崎陽子 今井昭 松重忠美 |
| 発行年度 | 2002 |
| 要約 | 食肉処理場でのBSE検査開始に伴ってウシ卵巣を9時間程度保存する必要が生じたが、この条件下において卵巣保存温度が卵胞卵の体外成熟・体外受精後の胚発生に及ぼす影響を検討したところ、20℃が最適で、胚盤胞期率は36.0%であった。 |
| キーワード | BSE、ウシ卵巣、卵胞卵、保存温度、20℃、胚発生率 |
| 背景・ねらい | 体外受精並びに核移植技術の研究には、良質なウシ卵巣の安定的な確保が必要である。一方、食肉処理場においてBSEの全頭検査が開始され、検査結果が陰性と判明するまで採取した卵巣を持ち出せなくなった。このため卵巣を採取後、実験室に持ち帰るまでの時間が、検査開始前の約4時間から約9時間へと大幅に延長された。当初、卵巣保存温度を検査開始前と同じ約35℃にしたところ、保存後の卵巣から採取した卵胞卵の半分以上が死滅していた。そこで、本研究では卵巣保存温度が、体外成熟・体外受精後の胚発生に及ぼす影響を検討することで、最適な保存温度を明らかにする。 |
| 成果の内容・特徴 | 1. 卵巣保存温度を15℃、20℃、25℃、30℃の4区に設定し、採取した卵巣を各温度に調整したダルベッコPBS(+)を入れた1リットル容量の魔法瓶に入れ,約9時間保存した。保存後の温度変化は±1℃以内であった。 2. 各区における胚発生率は、20℃区が2細胞期、8細胞期、桑実胚期、胚盤胞期の各ステージにおいて一番高く、とくに胚盤胞期率は36.0%であり、他の区より有意に高い(表1)。 3. 体外成熟卵細胞質の超微細構造を電子顕微鏡で観察すると、胚盤胞期発生率が他の区より有意に高い20℃区では卵細胞質の空胞化が多少認められるが、卵子の表層にまではほとんど及んでいない。発生率の低い15℃、30℃区では空胞化がより顕著で、細胞質へのダメージが覗われ、発生率低下と関連があるものと思われる(図1)。 4. 以上のことから、食肉処理場で採取したウシ卵巣を9時間程度保存する場合、20℃が最適である。 |
| 成果の活用面・留意点 | 1. 設定温度が5℃異なると胚発生率に有意差が生じるので、保存中の温度変化には注意を要する。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| カテゴリ |
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