コムギのグルテニン/グリアジン比の品種間差と出穂後追肥による低下

タイトル コムギのグルテニン/グリアジン比の品種間差と出穂後追肥による低下
担当機関 岡山農総セ
研究期間 1991~2002
研究担当者 日原誠介
大久保和男
中島映信
発行年度 2003
要約 二条大麦「ミハルゴールド」、「おうみゆたか」は「あまぎ二条」と比較して、大麦縞萎縮病に強く、凸腹粒の発生が少なく、麦芽品質も優れているため、地域適応優良品種に採用する。
キーワード 二条大麦、ミハルゴールド、おうみゆたか、麦芽品質、地域適応優良品種、二条オオムギ
背景・ねらい 岡山県の二条大麦奨励品種「あまぎ二条」は、凸腹粒が発生しやすく、大麦縞萎縮病に罹病性のため、栽培が難しくなっている。また、同じく奨励品種「アサカゴールド」については実需者から麦芽品質のよりよい品種への転換を求められている。そこで、大麦縞萎縮病に強い抵抗性を持ち、麦芽品質の優れた、良質、多収な品種を選定する。
成果の内容・特徴 「あまぎ二条」と比較した「ミハルゴールド」及び「おうみゆたか」の特徴は次のとおりである。
  1. 「ミハルゴールド」は出穂期が同程度~5日、成熟期が同程度~3日程度遅い。「おうみゆたか」は出穂期が同程度で、成熟期が同程度~4日程度早い(表1、表2)。
  2. 稈長は「ミハルゴールド」では6㎝程度短く、穂長もやや短いが、穂数は同程度である。「おうみゆたか」は稈長、穂長、穂数とも同程度である(表1、表2)。
  3. 耐倒伏性は、両品種とも同程度である(表1)。
  4. 耐病性は、両品種とも赤かび病には同程度であるが、大麦縞萎縮病に強い(表1、表2)。
  5. 凸腹粒は両品種とも少ないが、裂皮粒がやや多く、外観品質は同程度である(表1、表2)。
  6. 収量性は「ミハルゴールド」では高く、千粒重も大きいが、整粒歩合は同程度である。「おうみゆたか」は収量性は同程度で、千粒重はやや大きく、整粒歩合は同程度~やや低い(表1、表2)。
  7. 麦芽品質は、「ミハルゴールド」では麦芽エキス、麦芽全窒素、ジアスターゼ力、「おうみゆたか」では麦芽エキスに優れ、総合評点は「あまぎ二条」、「アサカゴールド」より優れる(表3)。

成果の活用面・留意点
  1. 普及地帯は県下一円の平坦地で、「あまぎ二条」、「アサカゴールド」に替えて普及を図る。
  2. 水利等地域の栽培条件や粗蛋白質含量等を踏まえ、両品種とも同面積程度に普及を図る。
  3. 脱穀、調製に当たっては、穀皮が薄いので、剥皮、裂皮を生じないようにする。
  4. 「ミハルゴールド」の品種特性として生育中期に葉の黄化がみられるが、品質・収量には影響しない。

図表1 219572-1.jpg
図表2 219572-2.jpg
図表3 219572-3.jpg
カテゴリ アスター 萎縮病 大麦 栽培条件 抵抗性 品種

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