タイトル |
ソラマメ催芽種子浸漬法によるアザミウマ類の薬剤殺虫効果の簡易把握 |
担当機関 |
大阪食とみどり技セ |
研究期間 |
2002~2003 |
研究担当者 |
柴尾 学
田中 寛
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発行年度 |
2003 |
要約 |
各種薬剤の溶液に浸漬処理したソラマメ催芽種子とミカンキイロアザミウマやネギアザミウマなどアザミウマ類成虫を容器に封入して死亡率を調査することで、アザミウマ類に対する各種薬剤の殺虫効果を簡易に把握することができる。
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キーワード |
ソラマメ催芽種子、アザミウマ類、薬剤、殺虫効果把握手法
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背景・ねらい |
アザミウマ類は農作物の重要害虫であり、有効薬剤の検索のためには薬剤殺虫効果に関する簡易な把握手法が必要である。アザミウマ類の一般的な薬剤殺虫効果を把握する方法としては葉片・虫体散布法や葉片・虫体浸漬法などがあるが、調査の実施にはそれぞれ回転散布塔や餌植物の準備が必要であり、機器や餌植物の準備には相当の時間と労力を要する。そこで、アザミウマ類の継代飼育の餌として用いられるソラマメ催芽種子を利用した簡易な薬剤殺虫効果の把握手法を開発するとともに、ネギアザミウマとミカンキイロアザミウマに対する各種薬剤の殺虫効果を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- ソラマメ催芽種子(レース鳩用餌)を利用した薬剤殺虫効果の把握(以下、ソラマメ催芽種子浸漬法という)は以下の手順で行う。薬剤を所定濃度に希釈し、流水中でわずかに発芽させて剥皮したソラマメ催芽種子を4分割して30秒間浸漬した後、ろ紙上で風乾する。内径2.5㎝、高さ5㎝のアクリル製容器にアザミウマ類成虫、ろ紙片、浸漬処理したソラマメ催芽種子を入れた後、開口部を薄膜フィルム(通気性あり)で密封する(図1)。無処理ではソラマメ催芽種子を水道水に浸漬して同様の処理を行う。容器当たり約10個体、5~7区制とする。25℃-16時間日長の恒温室に置き、生死の判定は処理2~3日後に生存虫と死亡虫の別に計数する。
- ネギアザミウマに対してネギ葉片浸漬法では虫体がネギ葉の粘液状物質に付着して死亡する個体が多かったため、無処理の死亡率が39%と高くなったが、ソラマメ催芽種子浸漬法では無処理の死亡率が10%であり、殺虫効果の把握手法として利用できる(表1)。
- ソラマメ催芽種子浸漬法によりネギアザミウマに対する各種薬剤の殺虫効果を判断すると、ペルメトリン乳剤、アセタミプリド水溶剤、クロルフェナピルフロアブルの殺虫効果は低い(表1)。
- ミカンキイロアザミウマに対してナス葉片浸漬法では無処理の死亡率が4%、ソラマメ催芽種子浸漬法では無処理の死亡率が6%であり、両方法とも殺虫効果の把握手法として利用できる(表2)。
- ソラマメ催芽種子浸漬法によりミカンキイロアザミウマに対する各種薬剤の殺虫効果を判断すると、アセフェート水和剤、カルボスルファンMCフロアブル、アクリナトリン水和剤など合成ピレスロイド系3剤、ジノテフラン顆粒水溶剤などネオニコチノイド系3剤、エマメクチン乳剤、トルフェンピラド乳剤、クロルフェナピルフロアブルの殺虫効果は低い(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- ソラマメの保存、催芽種子の準備や作業は容易であり、アクリル製容器等の器具が必要である以外、機器の導入は必要ない。
- ミナミキイロアザミウマやヒラズハナアザミウマなど他のアザミウマ類に対しても有効な薬剤殺虫効果の把握手法である。
- 恒温室内の湿度が30%より低い場合にはアクリル製容器内のソラマメ催芽種子が乾燥し、封入したアザミウマ類成虫の死亡率が高くなる場合がある。
- 一部の薬剤ではソラマメ催芽種子浸漬法による死亡率が葉片浸漬法による死亡率より顕著に低くなる場合がある(表2;トルフェンピラド乳剤,クロルフェナピルフロアブル)。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
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